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涼宮ハルヒシリーズの2次制作サイト。鈍感なキョンを愛でています。 BL要素満載なので間違って入ってきた人は回れ右です。古キョンだらけですが、国木田×谷口も少々あります。 当サイトはリンクフリーです。相互も大歓迎です。 リクエストなども受け付けておりますので拍手かメールフォームよりお気軽にどうぞ。
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バレンタインssを国谷で。
間に合ったー。
しかし、やまなし・おちなし・いみなし!!です。

私はバレンタインという行事が何故か好きです。
2次元的な意味で。


以下、ss本文は「続きを読む」から。

「今年のバレンタインは逆チョコっていうのをやってるみたいだね」
国木田がふと言い出した。逆チョコ…今年からなんだかやっているらしいあれか
「んぁ?なんかCMでやってるみたいだな。でも、男は貰ってなんぼだろ。あー。欲しいぜ。やっぱステータスって感じがするよな!!」
バレンタインには女の子からチョコレートが欲しい。
付き合ってる奴がいようが、それはそれ。これはこれ
義理チョコでも貰えるだけ嬉しいが、可愛い子がちょっと照れながら持ってきてくれたらその時には、もう…
「ふーん。欲しいんだ。チョコレート」
おっと。国木田が笑顔なのに黒い雰囲気をかもし出してきた
最初は怯えて成す術もなかったが、最近では慣れたもんだ
…嫌な慣れだな
「え?あー。いやー…だって、やっぱり嬉しいじゃねーか。なんかお祭りみたいでよ。どうせお前だって貰うんだろ」
そうだ。どうせ俺よりこいつの方が貰うに違いない
「さぁ?僕は僕は興味のない人間から貰う物になんか興味はないからね。
それより、今年は逆チョコっていう大義名分も出来て、男がチョコ売り場に居ても微笑ましく見られて不審に思われることはないんじゃないかな」
「いやぁ、それでもやっぱり気恥ずかしいと思うけどな。周りが女だらけだったらきついだろ」
デパートなんかでやってるバレンタインフェアを思い出す
あの雰囲気の中に男が入るのは店員かなんかじゃない限り無理そうだ
「そのキツさを超えてまでも想う相手に渡したいって思って渡されたら感動も一入だね」
その笑顔が怖いです
嫌だ。俺は断固辞退したい
しかし、これでこいつの思う行動を取らなかった場合、俺は目も当てられない状況に陥る事は目に見えている
「国木田…」
「なんだい?」
「はっきり言ってくれないか?」
「わかってるくせに?」
「これで間違ってたら俺は当日に物凄く恥ずかしい思いをすることになる。それはどうしても避けたい。だから言ってくれ」
もしこれで、国木田に「僕は欲しいなんて一言も言わなかったのにね。張り切ってるね。谷口」なんて言われてみろ。
俺のダメージは計り知れないぞ
それなら、逃げられなくなってもいい。どうせ逃げられないんだ
はっきりここで俺の今後の運命を決めてくれ
「しょうがないな。僕は谷口からバレンタインにチョコレートが欲しいって言ってるんだよ」
とびきりの笑顔だな、国木田
きっと、こいつの上辺だけを知っている奴は「可愛い~」とか言うに違いない
「ああ、そうか。外れてくれることを祈っていたんだが外れてはくれなかったか」
「さて、僕にここまで言わせたんだから当然くれるよね?」
やるよ。やればいいんだろ。
俺にどのくらいの選択肢があるというのか
1、ノリノリでチョコを渡す
2、普通のテンションでチョコを渡す
3、嫌々なのを隠さずにチョコを渡す
…これくらいだな
俺はこいつのどこが好きだというんだ
教えてくれ、俺
「谷口、楽しみにしてるからね」
いつもの俺にしか見せないような嫌な笑顔
自信満々で楽しそうで…こいつの本性そのものだ
でも、この笑顔が見れるのが自分だけだという優越感があるのもまた事実だ
どうしようもないな、惚れたんだから
「ああ、楽しみにしとけ」


おい、国木田
逆チョコの風習が出来たんだから微笑ましく見てくるだけだって言ったのはお前だよな
この嘘吐きめが
めちゃくちゃ場違いだ
そして、視線が微笑ましくない
男子高校生が頑張ってこんなところに来るもんじゃないな
そして、金欠の俺が来るところでもない
チョコに詳しくない俺でも知っている超有名店のバレンタイン用のチョコレート
驚くべきはその値段
「ひ…一粒で1500円、だと?」
誰が買うんだ?こんなチョコレート…
「うわー。これ可愛いー。自分チョコこれにしようかなー」
横からOLらしき2人組みのうちの1人がそんなことを言っている
男に贈るんじゃなくて自分用に一粒1500円のチョコを買うのか
バレンタインというものが何なのかますますわからなくなるな
さて、俺にはこの店のチョコを買うのは無理だな
もうちょっと安くてもいいだろ
入る時には人の目が気になったが、中に入ってしまうと周りの女性が自分に注目していないことがわかる
選ぶことに夢中になっているのだろう
さて、あまりにも可愛いものはどう考えても俺もあいつもそんなに嬉しくない
ハート型のチョコとかはさすがにきつい
生チョコ、トリュフ、詰め合わせ…
うーむ。詰め合わせはハート型のが何個か入ってるか
いや、入ってないのもあることにもある
テレビでたまに見る一粒何百円かする四角いチョコレート
あれが何個か入っているものもある
さて、どうしようか
それにしても、このフェアだけで何店舗が出店しているのだろうか
って、何で俺がここまで悩まないとダメなんだよ
むかついてきたな
いやいや、せっかくここまで来たんだ。悩んで何が悪い
これでセンスの悪いものを渡すってのも癪に障る
まぁ、センス悪いとかは言わないだろうけどな…
言わないよな?
ああ、ここでぐだぐだ考えていてもしょうがない
早く決めちまおう
しかし、あいつのチョコの好みなんか知らん。
どうせ当日は土曜日だ
あいつの家に行ってその場で開けて俺も食うことになるだろう
だったら俺が食いたいものを選ぼう
前からこの詰め合わせをテレビで見てて気になってたからこれにしよう
もっと安いのだが生チョコやトリュフは食ったことがあるしな
1500円か…
痛い出費だな


ピンポーン
「はい」
「あー、俺だ」
「いらっしゃい、谷口」
いつものやりとり
「その辺に座ってて。僕はコーヒー淹れるから。チョコレートと言ったらコーヒーだよね」
国木田はチョコを受け取る気マンマンらしい
いや、持ってきたことには持ってきたが…
「ああ。わかった」
勝手知ったる国木田の家
リビングでテレビを点ける
国木田の家は大抵家族が居なく、2人になることが多い
つまり、リビングで男が男にチョコを渡しても不審がる人物は居ないってことだ
チョコを渡さなくても2月14日に男同士で居ること自体が微妙だということは考えないことにしよう
「おまたせ」
コーヒーを渡される
俺はブラックで、国木田は砂糖とミルクを入れて飲む
微妙な沈黙
どうにもその雰囲気には耐えられずカバンからチョコを取り出す
「ほい。チョコだ」
「ありがとう。谷口。それにしても、色気のない渡し方だね」
「…色気のある渡し方って、何だよ?」
自分の体にチョコを塗って「俺を食べろ」だとかそんなことを想像してしまい、具合が悪くなる
いかん。頭がクラクラしてきた
「例えば…」
と言いながら国木田はそっぽを向く
ん?なんだ?
疑問に思いつつ国木田の背中を見る
「どうし…」
話しかけようと少し近付いたところで声を出せなくなった
甘い
生温い甘いものが口の中に入ってくる
どうやらチョコを口に含んだままキスをしてきたようだ
これがこいつの言う『色気のある渡し方』らしい
こいつらしいというかなんと言うか
「美味しい?」
口を離したと同時に問いかけられる
味なんかわかるかよ
とは言いがたい。否定の言葉なんか聞く気がないんだからな、こいつは
「ああ」
「じゃあ、もうひとつあげるよ」
また口にチョコを含ませようとする国木田
出来れば普通に食べたい
…のだが、また同じように食べることになる
「美味しい?」
「…ああ」
「さっきのとどっちが美味しかった?」
味、違ったのか
さっぱり気づかなかったぜ
「どっちも同じくらい美味かったよ」
「だろうね。同じ味だからね」
笑顔なんだが、微妙に機嫌が悪いように見えるのは気のせいですかね?国木田さん
なんだ?渡し方がそんなに気に入らなかったっていうのか?
面倒くさいやつだな
国木田にやったチョコを取り返そうとしたときに、そういえば、と思う
「国木田もチョコ、準備してたのな」
さっき食べたのは自分のではなかった
何だかんだ言って俺にチョコを渡そうとしてくれてたなんて可愛いところもあるもんだ
と、思ったのだが、どす黒いオーラが漂ってきた気がする
なんかしたか?俺
「昨日、準備したんだ。大変だったんだよ?なんせ前日だし、学校終わってからだったからね。売り切れてたらどうしようって不安だったんだ」
「お、おう」
なんで昨日準備したのだろうか。前から準備しておけばよかったのに
「ちなみに、僕が準備したチョコレートはこれ。ラッピングはこっち」
国木田の体の陰になっていて見えなかったチョコを見せてきた
硬直。脳の活動停止。
「可愛いチョコレートだねぇ。ハート型のチョコレート。ブラック、ホワイト、ピンクの3種類。入れ物の箱もピンクのハート型。リボンは赤。完璧だね。本命チョコって感じだね?」
言葉が痛い
痛すぎます
国木田が見せてきたチョコは、昨日俺が家で食べたものと寸分違わない
「臆病な女の子。本人に手渡す勇気もない。でもチョコレートは渡したい。どうやって渡そうか?友達に頼もうか?それとも持ち物に入れておこうかな?それは下駄箱?ロッカー?カバン?それとも…」
嫌な汗が流れる
「机?」
なんで全部ばれてんだ?
「さっきのチョコレートと昨日のチョコレート、どっちが美味しかった?」
ああ、その笑顔が眩しくて痛い
さっきのはロクに味わっていないから、本当のことを言えば昨日のほうが美味しかった
サプライズってのもあったし、俺の喜びがあのチョコを美味しくさせていたんだろう
だがしかし
「もちろん、国木田がくれたのが美味かったぜ。やっぱり渡し方のせいかもしれないな」
と答える。当然だ。
「へぇ、食べたんだ。どこの馬の骨ともわからない女から貰ったチョコレート」
どうやらお気に召す答えではなかったらしい
食べるのさえ許してもらえなかったか
「やっぱり昨日捨てておけばよかったな」
こいつは女の子の気持ちをなんだと思っているのだろうか
昨日こいつにチョコをあげていたお嬢さん方、もう一度目をかっぴらいて見つめなおしたほうがいい
こんな奴なんですよ、本当は。誰か気付け。
捨てるのはまずいだろってか、捨てたら俺が騒ぐことになるぞとか口を挟みたいのは山々だが藪蛇になりそうなので放っておく
「僕、嫌だな。谷口が誰からかチョコレート貰ってニヤニヤしてるのを見るのなんて。ねぇ、谷口も嫌だったでしょ?僕がチョコレート貰ってるのを見ていて」
まぁ、昨日こいつが貰っているのを見ていて気持ちのいいものではなかった
しかし、あげた女の子に馬の骨とか思うわけでもなく、どちらかといったら貰えるこいつが羨ましいと思ったり外面の良さに呆れていたりしたってのが正しい
「ああ、嫌だった」
「でしょ?だから、来年からは貰っても食べないでね?本当は貰うのも嫌なんだから」
「ああ」
食べても、それを悟らせなければ大丈夫だろう
「ねぇ、持ってきたチョコレート、食べさせて」
「あ、ああ」
良かった。機嫌が直ってきたようだ
食べさせてっていうのは、きっとさっき自分がやったことを俺にもやれって言ってるんだろう
他人の口に含ませたものよりも自分で食べた方が美味いと思うのだが
良くなった機嫌を損なうかもしれんが、買ってきたチョコを折角なら美味く食って貰いたいとも思う
自分の口に含ませようとしていた手を止め、国木田の口に持っていく
眉間に皺がよっていたが、意を決して次の言葉を繋げる
すると本当に機嫌の良い時の笑顔になった
やっぱり男のロマンってもんだよな
「あーん」ってのは


国木田に見つからなければ食べてもいいと思っていたバレンタインのチョコだったが、次の年から一つも貰えなくなってしまった
くそ。なんで俺はもてないのだろうか
まぁ、その分国木田が毎年機嫌がいいのは良いことだ
そう思って俺は逆チョコなんて文化が廃れても毎年バレンタインの時期にはチョコを買うことにしている
今年は最初の年に諦めたあの店のチョコにでもしようか
あげるチョコは変わっても渡し方は毎年同じだ
あいつは今年も喜んで貰うのだろう

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無題
最高です!
萌えすぎて死にます。

神ですね!
冬輝 2010/03/09(Tue)20:12:55 編集
無題
神なう∩^ω^∩
口移し…∑∵`
がんばです!照
椎香 2011/04/10(Sun)22:42:38 編集
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1986/12/06
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