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2chで怪盗の話が出て、セイントテールの話題にもなったので、漫画の一場面を思い出しながら書いた尻切れトンボss。
漫画を読み返したくなったがそのために実家に帰るのはやめておいた。だからうろ覚え。
投稿しようかと思ったけど、怪盗ネタで盛り上がってたのに全く怪盗関係ないからやめておいた。
分裂ネタが入ってます。未読の方はご注意を。
以下ss本文は「続きを読む」から
今まで灰色一色の空間にいたからなおさらだ。
それにしても疲れた。涼宮さんの閉鎖空間は最近ひっきりなしだ。
ゆっくり寝たい。体は正直だ。でも、本当は体よりも精神の方がきつい。
涼宮さんの閉鎖空間の状態が今までと違うからだ。彼が佐々木さんと駅前に現れて神人は変化した。
彼を想う涼宮さんの心が反映されているんだろう。
それが僕の心を狂わせる。涼宮さんの恋心を見せ付けられているようだから。
僕が彼を想ってもしょうがないことなのだ。
しょうがないけれど、想うだけは勝手なんだと今は思っている。
誰にも言わないから許してください…なんてエゴだとわかっている。でも、そう思っていないと心が押しつぶされてしまう。
さっきまで降っていた雨で服が濡れている。
いつもなら神人狩りをした後は車で家まで送ってもらっているが今日は徒歩で帰ると言い張った。
雨に…濡れたかった。洗い流して欲しかった。僕の感情を。彼への愛情を。
結局は、全然流されなかったけれど。むしろ思い知らされた。
僕の彼への執着を。まるで、今、肌に張り付いている服のような執着を。
空には虹が。綺麗だ。僕の心とは正反対。
『虹の麓には宝物がある』
いつか聞いた御伽噺。馬鹿らしい話だ。虹には麓なんかない。あれは太陽光の屈折と反射によるただの物理現象だ。
でも、素直に虹は綺麗だと思う。
宝物なんてそんなところにあるわけない。あるわけはないけれど、つい見てしまう。『虹の麓』だと思われる場所を。
やっぱり何も無い。当たり前だ。笑みがこぼれてくる。作り笑いではない、誰にも見せない自嘲の顔。
ん?黒っぽい人影がある。その人は僕から見ての『虹の麓』に坂道を登ってきてちょうどいるように見える。
目を凝らすと、そこに居るのはまぎれもなく彼で。ああ、なんてことだ。確かに確かに宝物があるではないか。
なんでそこにあなたがいるんですか?
あなたは本当に困った人だ。諦めたいのに諦めさせてはくれない。
「古泉!!」
ああ、彼が近づいて来る。
「おい!どうした!?大丈夫か?って!めちゃくちゃ熱あるじゃねーか!家帰れ!」
そうか、だるいと思っていたら風邪だったのか。それにしても、あなたにしては登校するのが早いですね。
「んぁ?今日は日直なんだよ。って、んなことどうでもいいんだよ!迎えとか、誰かいねーのか?」
どうでしょうね。来てくれるでしょうか。
「お前、本当に大丈夫か?」
彼が心配してくれている。ああ、僕の宝物。
「好きです。冗談なんかじゃありません。あなたがここに居てくれて嬉しいんです。好きと言えて嬉しいんです」
言ってしまった。僕の想い。爆発してしまった僕の想い。涼宮さん、すいません。
「馬鹿かお前は。ほら帰るぞ。迎えが無いなら乗っかれ」
告白しても何も変わらない態度。それどころかいつもより優しい。
どうしてあなたはそうなんでしょうか。この人を諦められるわけがない。
家までの道のりを彼の温もりを感じながら過ごした。彼に気付かれないように涙を流した。