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涼宮ハルヒシリーズの2次制作サイト。鈍感なキョンを愛でています。 BL要素満載なので間違って入ってきた人は回れ右です。古キョンだらけですが、国木田×谷口も少々あります。 当サイトはリンクフリーです。相互も大歓迎です。 リクエストなども受け付けておりますので拍手かメールフォームよりお気軽にどうぞ。
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バレンタインデーssです

キョンの母と父が出てきてますのでオリキャラダメな方はお気をつけ下さい

ちょっとブログパーツで遊んでますv

ところで、私はチョコが嫌いなのでこの日があまり好きではありません(笑)
手作りとかチョコの匂いで死にそうになる…


以下、ss本文は「続きを読む」から

古泉が我が家で晩飯を食い終わりちょっと話をしていると
いきなり妹が
「古泉くんは明日来ちゃダメだよー」
と言い出した
珍しいこともあるもんだ
こいつは古泉が来ない日に「今日は古泉くん来ないのー?」 と文句を言うことはあっても来るなと言うなんて驚きだ
一体どんな風の吹き回しだ?
古泉はショック受けるのかと思ったが少し豆鉄砲くらった顔してからすぐに笑顔を取り戻した
納得、と言わんばかりの笑顔だ
「かしこまりました。それではまた明後日に、でよろしいんですよね?」
「うん。明後日ー。楽しみにしててね」
『明後日』が強調されていたような気がしないでもない
明日はダメだが明後日はいいのか
しかもそれが当たり前のような言い方でおふくろも親父も笑顔で二人を見ている
なんだってんだ?
俺だけがキョロキョロして挙動不審になっちまってる
「あら、お兄ちゃんどうしたの?」
やはり俺は傍から見ても挙動不審だったようだ
「いや、別に…」
「…あら、もしかして今の会話の意味わかってないのかしら」
「ま…さか」
なんだそのまるでわかってないのがおかしいみたいな言い方は
「さすがあなたですねぇ」
なんだと
「お前は誰に似たんだろうな」
「あら、あなたに決まってるじゃない。私がどれだけ苦労したと思ってるの?」
「それはそれは…是非聞いてみたいものですね」
「あら、聞きたいの?そうね、今度お父さんが居ないときにゆっくり聞かせてあげるわ」
ウインクするな、年を考えろと何度言えばわかるんだ
「はい。よろしくお願いします」
というか、なんでそんなもんを聞きたがってるんだ?こいつは
それにしても、俺に明日と明後日がなんなのか誰か教えてくれんのか
しかし、わかってて当然のような雰囲気を俺に聞きにくくさせている。くそっ
「くすくす…まずは今日の日付を確認してはいかがですか?」
そんな俺を見かねたように古泉が聞いてくる
なぜ答えをそのまま言わんのだ
「今日…か?昨日が建国記念日で休みだったんだから、2月12日だな」
「では、去年の今頃は何をしていましたか?ああ、あなたは去年の今頃もそのことをすっかり忘れていたんでしたっけ」
…ああ、バレンタインか。
「ここまで言わないとわからないなんて、我が息子ながらフォローも出来ないわ」
「キョンくんデリカシーなさすぎー」
苦笑する親父と古泉
味方が誰も居ないではないか
まぁいい。朝比奈さんのチョコは今年も貰えるだろうか
ハルヒは何かまた面倒くさいことを考えていたら憂鬱だな
長門はハルヒに何か言われていたらくれることだろう
ふむ、そう考えると楽しみだな
何といってもマイエンジェル朝比奈さんのチョコなんて学校の全男子を敵に回すほどの物だからな
手作りとあっては殊更に
谷口なんか泣いて羨ましがるかもしれんな
「まぁまぁ。この子ったらにやけたりしちゃって。貰えるあてがあるってことかしら?去年の夏休みに来てた娘達の中の誰かかしら」
おっと、いかん。朝比奈さんのことを考えていたら顔が緩んでいたようだ
しかしおふくろよ。残念だな、誰かではなく全員から貰えるはずだ…たぶん
義理だがな
まあ、お菓子業界の戦略に乗ってやるのも悪くないさ
「古泉くんはいーっぱい貰うんだろうね」
「そんなことありませんよ」
うそつけ。そんなことあるだろうよ
古泉は見た目はいいからな
それにいつでもニヤニヤしていて受け取ってくれそうだもんな
「おやおや。そんな風に思われていたんですか。僕は今年、義理以外は受け取る気はありませんよ。本命の方以外…ですけど」
「あら。古泉くんは彼女がいるのね。きっと可愛い子ね。そんな風に思ってくれるなんて羨ましいわぁ。あら?でもこんなにこの家に来てさみしい思いをさせてるんじゃないの?」
「可愛いですが彼女ではないんですよ。残念ながら」
「まぁ。古泉くんが片想いなんて。私がその子に古泉くんのいいところを話してあげたいわ」
話の雲行きが怪しいと感じているのは俺だけなのだろうか
「そろそろ帰る時間じゃないのか」
泊まる日以外はいつもこのくらいの時間に帰ってるだろ
「ええ、ではそろそろおいとますることにしましょうかね」

そんな会話をしてから古泉は帰っていった
そうか、去年の今頃は朝比奈みちるさんとハルヒのメランコリックでてんやわんやしていたのか
橘や藤原の顔を思い出す
そう考えると今年は平和なもんだな


さて、次の日
SOS団団長様曰く、今日は活動はないのだそうだ
その言葉を放つハルヒの顔からしてどうやら義理チョコの1つは貰えるようだ
家に帰ると妹の叫び声が聞こえてきた
どうした!?
台所に駆け込むと
「あー、キョンくんお帰り。今日は早いんだね」
と粉まみれの妹がそんなことを言っている
やれやれ
「おふくろ。手伝ってやればいいだろ」
「だって手伝わせてくれないんだもの。自分で古泉くんに作るってきかないのよ。私は危なくならないように見てるだけ」
妹の顔に付いた粉を拭きながらおふくろは頬を膨らませる
「じゃあ、俺が手伝うよ」
「だめー!!1人で作るのぉ!!」
一刀両断か
へいへい
「私だってお父さんに作りたいのに…」
おふくろは明日の昼間に作ればいいだろ
「まあね」
「キョンくんも作るならあたしの後だよー?」
俺が作るわけないだろ
俺が心配しなけりゃならんのは1ヶ月後のホワイトデーだ
「そっかぁ」
しばし妹がチョコを作る姿を眺めることとした

 

まぁ、それで、バレンタインなわけだ
男連中はなんだか浮き足立っているように見えるし女子もそわそわしてるように見える
谷口はいつもより気合いの入った髪型をしているように見える
ご苦労様って感じだな
バレンタイン当日に気合いを入れたってしょうがないと思うがつっこまんでおこう
さすがに可哀想だからな
それに引き替え国木田はいつも通りだ
それでも谷口よりは貰ってるんじゃないだろうか
中学の時もしれっと後輩や同級生から何個も貰ってたような奴なんだあいつは
「いいよなぁおまえは。どうせ今年も貰うあてがあるんだろう」
「別に、そんなあては…」
「はぁ。みなまで言うな。俺が悲しくなる」
自分から言っておいて勝手な奴だ
俺に言うよりもお前の隣でニコニコしてる奴に言ったほうが文句言った方がいいと思うぞ
たぶんこいつのことだ
朝にもう貰っているだろう
そんなことはおくびにも出さない国木田を見る
ただ笑顔でいるだけだがな
目線をスライドさせて国木田のカバンを見ると心なしか膨らんでいるように見える
谷口、やっぱり僻む相手を間違えてると思うぞ

ハルヒは朝から変にニヤニヤしていた
何を企んでいるのか皆目見当もつかないね
ハルヒの表情には言及しないでおいた
そんなのは野暮ってもんだろ
と思っていたが放課後少し後悔した
俺は古泉と宝探し中だ
学校の様々なところになぞなぞやらクロスワードやらが封筒に入ったものの謎解きをするはめになっている
部室に二日ぶりに入った途端ハルヒに封筒を渡された
おいおい、ちょっとチョコを入れるには小さすぎないか
軽いし…と思い開くと紙が一枚のみ
そうだな、ハルヒがただチョコをくれるなんてあるはずがない
何かを企んでいるのは一目瞭然だったからな
「古泉くんと一緒に探してきなさい」
だそうだ
「古泉はまだか」
「もうすぐ来ると思うけど…古泉くんのことだから誰かに呼び出されてるのかもしれないわね」
はぁ。じゃあ、あいつが来るまで先にやっておくか
クロスワードか…こういうのは解くよりも作るほうが大変なのによくやるよな
ハルヒはこちらを見てやはりニヤニヤしている
解けないと思っているのだろうか
それなら残念だったな。俺はこういうのは得意なんだよ
さてやるか、と思ったところで
「こんにちは」
と言って古泉が入ってきた
「古泉くん、キョンが持ってる問題を解きなさい」
「おや。今年はクロスワードですか。僕にお任せを。涼宮さんを失望させたりはしませんよ」
「やっぱり副団長は頼りになるわね。でも、古泉くんばっかり解いちゃダメよ。キョンにもやらせないと」
「はい。かしこまりました」
ニコニコしながら俺に向かってウインクしてきやがった
やめろ
っていうかだな。解いたぞ。キーワードが、「ん」「が」「つ」「お」「し」「く」…か
「音楽室ですね」
「ハルヒ、音楽室に行けばいいのか?」
「さあねぇ」
教えてくれる気はない…と
しょうがないな
「古泉、行くぞ」
「はい」
結果的に音楽室であっていた。
しかし、そこがゴールと言うわけではなく…
それから俺らの教室、視聴覚室、保健室、職員室…って、あいつは職員室にどうやって仕込んだんだ!?
…愚問か。あいつのことだ。強行突破したんだろう
職員室で生暖かい眼差しを向けられ続けたことは記憶から消去することとする
それからもまた学校中を移動することとなったが、10ヶ所目である俺の下駄箱にあった問題を解くと「SOS団活動場所」であった
文芸部室…か
って、スタート地点じゃねーか
「駅前とかじゃねーよな?」
と一応古泉に聞いてみると
「部室でしょうね。涼宮さんの靴はここにあるようですし」
なるほど。ハルヒの外履きは靴箱にきちんと納められていた
まぁ、間違いなくあそこなわけだ
ってことは、あれか。このゲームは俺と古泉を追い出すためにやったってことかね
「そうなんでしょうね。可愛らしいじゃないですか」
まあ、かまわんさ。さて行くかね

文芸部室のドアをノックするとマイエンジェル朝比奈さんのお出迎えボイスだった
開けると3人のメイドがいた
しかもポニーテールだ
テーブルの上には6つの丁寧にラッピングされた箱が用意してあった
「座りなさいよ」
「座って」
「こ、こちらにどうぞ~」
メイド喫茶のようだな
古泉と促された席に着く
…と言ってもいつもの席だ
「よく辿り着いたわね。ここがゴールよ」
「…ゴール」
「おめでとうございます」
「いやはや。皆さん良くお似合いですね」
4つの視線が俺に集まっているような気がするのは俺の勘違いではないのだろう
「………………」
なんの我慢大会だ、これは
「まぁいいわ。みくるちゃん、お茶淹れて」
「あ、はい」
メイド服を着てもハルヒは奉仕するという気は全くないらしい
朝比奈さんはいつも通りにお茶を丁寧に淹れてくださっている
ポニーテール効果もありいつもの20%増で可愛らしい
「どうぞ」
コト、コト、と朝比奈さんが5人分のお茶を置いている
「さて、お茶も出来たことだし今日のメインイベントよ!!」
なんて言われると大層なことだが、実際は3人がそれぞれ俺達にラッピングされたものをプレゼントしてくれる、といういたって普通のものだった
もちろんそれに文句などはない
むしろそれは素晴らしいことだ
「去年はケーキだったからね。今年はトリュフにしてみたわ」
「クッキー」
「わたしはブラウニーです」
「今年は3人で作ったんじゃないのか」
「3人別々の物を作った方が楽しいかなって思ってね。まあ、3人で有希の家に集まって作ったんだけどね」
「ありがとうございます」
「全部少しずつ食べれるものにしてみたのよ。ここであげるならここで食べられるように、でも全部はムリだろうからって」
そんな心遣いまでしているとは驚きだな
「ああ、ありがとう。じゃあ、今開けていいか?」
「勝手にすれば?どうせ義理なんだしね。義理よ義理」
「では、僕も開けさせていただきますね」
3箱それぞれ開けてみる
どれも美味しそうだ
「これはこれは…とても美味しそうですね。それではいただきます」
「召し上がれ。お茶もどうぞ。今日は紅茶です」
さすがに緑茶はきついと感じたのだろうか。大変な心遣いありがとうございます
パク
「うん。美味いな」
「とても美味しいです」
トリュフ・クッキー・ブラウニー、それぞれが美味かった
「全部同じ感想なの?もっとボキャブラリーを増やさなきゃダメよ」
料理は美味いか美味くないかの評価だけでいいと思うんだがな
テレビタレントのように食べ物の美味しさを伝える必要は感じられんし
「まあ、美味しかったのならいいわ。来月楽しみにしてるからね!!」
やはりホワイトデーが俺にとってはかなりの難関のようだ
去年と同じことでは満足しないだろうし。
いやはや大変だな
古泉に苦笑を向けてみる
お前がいいアイディアを出せよ、と思いながら

そんな感じでSOS団的バレンタインデーはおしまいだ
次は我が家的バレンタインデーだな


「ただいま」
「おっかえりー」
妹は俺が玄関に着いた瞬間リビングから突進してきた
「昨日より遅かったね」
そりゃあ昨日は活動休止だったからな
それにしても、甘い匂いが漂っている
おふくろが昨日の宣言通りに親父にチョコを作ったんだろう
「おじゃまします」
「古泉くんもおかえりなさーい」
こいつにとっていつの間にやら古泉はおかえり、と声をかける存在になったのやら
「とてもいい匂いですね」
「うん。おかあさんがチョコ作ってるの」
やっぱりな
というわけで、リビングに行くともっとチョコの匂いがしてきた
「お帰り。いらっしゃい古泉君」
「ただいま」「おじゃまします」
「あたしが作ったチョコケーキ持って来るねー」
「ありがとうございます。楽しみです」
妹はよたよたチョコケーキを持ってきた
ちなみに「俺が持ってくる」と言ったら拒否された。ったく、強情な妹だ
昨日作ってるところを一部始終見ていたから大体の形はわかっていたのだが、最後の仕上げの時には追い払われていたからケーキの上になんと書いてあるのかは今のところは知らないわけだ
さて、何を書いたのかね。わが妹は
テーブルにケーキを載せて
「じゃーん。古泉くんみてみてー」
これは…なんともなぁ
「ありがとうございます。ですが…このメッセージは僕宛てですか?」
「そうだよー」
「そうですか…」
古泉が苦笑するのも無理はない
チョコレートが一面に掛かっているケーキの上には白いチョコで「LOVE」その周りにはピンクのチョコでハートが何個も彩られている
「さぁ、食っべよー」
プレゼントじゃないのか
「あたしも食べるのー」
だと思ってたがな
まぁ、古泉1人でこれを食べるのはムリだろうしいいか。
台所に行っておふくろにケーキ用のナイフを出してもらった
「LOVEの文字、切っていいか?」
一応妹に了解を得る
「えー。しょうがないなぁ」
と言いながら妹はフォークを持って待機中だ
いいってことだろう
真ん中から切る
えーっと。5人分か…
あ、やべ。これじゃ5等分できねーな
…6等分でいいか
6個に分けたケーキのうちとりあえず3個を皿に取り分ける
「めしあがれー☆」
「いただきます」
「美味しいですね」
「うん。食えるな」
「キョンくんひどーい。これね、あたしが全部作ったんだよ」
「そうなんですか。凄いですね」
「えへへー」
「粉まみれになっていたがな」
「もうっ。言わないでよー。キョンくんのバーカっ!」
兄に向かってなんてことを言うんだ妹よ
それにしても、妹にとってはやはりバレンタインは愛の告白、なんてものよりもチョコをたくさん食べられる日って感じか
なんとなくほっとする
「ケーキどうだった?」
おふくろがやってきて尋ねた
「美味しかったですよ」「うん。まぁ悪くない」
「そう。良かったわね。私も食べようかしら」
「それはいいが、おふくろのチョコはどうした?」
「私のはお父さんが帰ってきてからに決まってるでしょ。今年のチョコは熱くないとダメなのよ」
息子に向かってまでもウインクするなよな
「あ、古泉君、本命の彼女からは貰えた?」
「いえ、それが…貰えていませんね。期待していなかったのでいいのですが」
「まぁ。カバンが膨れているように見えたからてっきり…」
「ああ。あれは一緒に部活をなさっている方たちから貰ったものです」


なんて会話もありながら親父が帰ってくる時間になった
それからは普通の晩飯を食って普通の会話をした
いつもと違ったのは食べている最中に甘い香りが漂いだしたことかな
晩飯を食い終わって10分後くらいにオーブンの音がしておふくろがチョコを取りに行った
さて、今年は何かね?熱くないとダメなんて思い浮かばんな
「じゃーん。今年はフォンダンショコラでーす」
まっすぐにおふくろは親父に一つ目の皿を持っていく
そして食べるまでは俺達に持ってきてくれる気は無いらしい
なんてわかりやすい人なんだろうね
「うん。美味いな」
「ふふ、嬉しい」
と、気が済んだらしく台所に戻って俺達の分を持ってきた
食べてみると、なるほど。中から熱いチョコがとろけて出てきてそれが美味い
出来立てじゃないとダメなわけだ
これは家の人にあげるから出来るものだな
ハルヒたちにはムリだっただろう
「とても美味しいですね」
「ああ」
「おかあさん、おいしー☆」
「うん。なかなか上手くいったわね」
という自画自賛も交えながらおふくろのチョコを味わった

さて、時間だ
「そろそろ僕は帰りますね」
「おふくろ。俺もちょっと出掛けてくる」
「あら、古泉君の家にでも行くの?」
「ああ。ちょっと借りたいCDがあってな」
古泉は「え?」と言っていたが「忘れたのかよ」と言ったら納得したような顔をした
本当に話が通じる奴だよ、お前は


古泉の家に行くと、
「さて、何のCDをお貸ししましょうか?」
と言い出した
なんていうか…まあ、いい。
そのへんのものを適当によろしく
「かしこまりました」
古泉の置いたカバンが妙に気になった
俺のカバンよりも膨れ方が大きいような気がしたのだ
だが、古泉が俺が知ってるほかにもチョコを貰っていても不思議ではない
むしろ、貰ってない方がおかしいのだ
昨日までならそう思っていたのだが…
「おや?僕のカバンがどうかしましたか?」
別に
クスクス笑う古泉はカバンから俺が知らないラッピングの箱を取り出した
けっこうでかい
やっぱり貰っていたのか…そりゃそうか
「どうぞ。バレンタインのチョコレートです」
は?
「あなたにいつ渡そうかと思っていました。こんなに遅くなってしまって申し訳ありません」
「それ、貰ったやつじゃないのか?」
「貰ったものをあなたにあげるなんてそんな失礼なことは出来ませんよ。正真正銘、僕からあなたへの贈り物です」
「…そうか」
「涼宮さん達以外のチョコレートは貰ってませんよ?」
そうか。おまえは俺が思ってるよりももてない奴なんだな
「そう思ってくださって構いません。あなた以外にもててもしょうがありませんからね」
きっと、古泉が今日少し部室に来るのが遅くなったのは…そういうことなんだろう
貰ったものを学校に置いてきたり捨てるなんてことはこいつはやらないだろう
「開けていいか?」
「かまいませんよ」
開けてみると普通のチョコレートだ
俺でも知っている有名なチョコレート専門店の箱だった
でもな、古泉
「これじゃないの、あるんだろ?」
「な、なんのことでしょう?」
「お前の指。なんだよ、その絆創膏」
「いえ、これはですね…紙で切ってしまいまして」
「それなら目が泳いでるわけを話してもらおうか」
「はぁ。あなたには敵いませんね」
古泉は1度姿を消してラッピングもしていないチョコレートを持ってきた
ハート型がいびつだった
「型から外すのが上手くいかなかったものですから」
お前は料理の才能がないって自分でわかっていながらなんでやろうとするのかね
「すいません」
別に責めてるわけじゃない
いびつなハートのチョコを食べる
「…それよりも、そちらの方が美味しいと思いますよ?」
だろうな
見た目からして何千円かするものなんだろう
しかしな、俺は庶民だからな。こういうチョコが一番口に合うんだよ
「そうですか」
へにゃ、という言葉が似合う顔をしている
こういう顔はきっと俺にしか見せないんだろう
ポケットから四角形の物を取り出して古泉に渡す
大した意味はない
ただ、今日の朝に甘いものが食べたくなったからコンビニに寄って買ったものを渡しただけだ
30円の甘いもの
今日は甘いもんを結構食べたからいらなくなっただけ
それで古泉に渡しただけだ

「これは…勿体無くて食べられそうもありませんね」

さっきよりもへにゃへにゃの表情をしている古泉はきっと気のせいなんだろう


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HN:
彼方
年齢:
37
性別:
女性
誕生日:
1986/12/06
職業:
会社員
自己紹介:
社会人2年生になりました。
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