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涼宮ハルヒシリーズの2次制作サイト。鈍感なキョンを愛でています。 BL要素満載なので間違って入ってきた人は回れ右です。古キョンだらけですが、国木田×谷口も少々あります。 当サイトはリンクフリーです。相互も大歓迎です。 リクエストなども受け付けておりますので拍手かメールフォームよりお気軽にどうぞ。
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エイプリルフールssです。
っていうか、これってネタバレになってます…ねorz
まぁ、いいや。


以下、ss本文は「続きを読む」から。

trrrrrrr trrrrrrr trrrrrrr …
春休みだからゆったり寝ていようと思っていた俺を無機質な携帯電話の呼び出し音が邪魔をする
パチン
『涼宮ハルヒ』
ハルヒからか…
ここで出なかったとしてもずっと掛かり続けてくるに決まってるな
ピッ
「もし…」
『キョン!!みくるちゃんが!!みくるちゃんが大変なの!!早く駅前に来て!』
ハルヒの叫び声で一気に目が覚める
「え…?」
『早く!キャ!!』
ツーツーツー
何があったって言うんだ?
朝比奈さんの身に何が?
また橘達が何かやったとでも言うのか?
よりによってハルヒの目の前で!?
ハルヒに一応掛けてみるがあんな風に切れたのだ。通じるわけがない
案の定ずっと呼び出し音が鳴り響くだけだ
パジャマを脱ぎ捨て適当な服に着替える
ハルヒの精神は大丈夫なのかと古泉にも電話を掛けてみるがこちらも繋がらない
長門の家にも電話を掛けてみるも長門にも繋がらない
本当に大変なことが起きているらしい
必要最低限の身支度をして家を飛び出す
妹や母親が何か言っていたような気がするがそんなこと気にする暇もない
自転車を全力で漕いだおかげで駅に着くころには汗だくになっていた
慌てて自転車を置いて駅前に走る
そこにはいつも通りの4人が居た
え?
なんで何ともないように居るんだ?
呆然としている俺にハルヒは無邪気な顔をして
「ひっかかったー」
と笑って言った
朝比奈さんもハルヒも長門も古泉も何の怪我もしていない
良かった
「今日はエイプリルフールよ」
そうか、今日は4月1日だ
「キョンったらそんな汗だくになっちゃって。やっぱりみくるちゃんの名前を出したのが効いたのかしら?」
安心はしたが、ハルヒはやってはいけない事をしたことを理解した
ハルヒの顔もみんなの顔も見ないように後ろを向き自転車置き場に向かって歩き出す
「キョン?」
ハルヒの声が聞こえてくるが足を止める気は無い
俺は本当に心配したんだ
また朝比奈さんが誘拐されたんじゃないかとかそれとも未来から何か指令が来たんじゃないかとか、古泉に連絡もつかないから事件を見たハルヒに異常が起きてるんじゃないかとか、長門に連絡がつかない事態なんて思い浮かばねーし…
とりあえずみんなが無事なんだとわかった
そして、帰りたかった
「キョン!どうしたの!?」
ハルヒが俺の服を引っ張っているのがわかる
「離せ。帰る」
「キョン…」
今日帰れば新学期が始まるころには普通に過ごせるようになるだろう
俺が怒鳴ったりする前に帰らせてくれ
「キョ、キョンくん…」
朝比奈さんの声も聞こえる
他の3人もすぐ後ろにいるようだ
参ったな
「すいませんでした」
言ったのは古泉だ
なんで俺が帰ろうとしているのか一番わかっているだろうからな
はぁ。頭に上っていた血が落ち着いてきた
この状況じゃしょうがないだろ?
後ろを振り向くと神妙な顔をした4人が居た
長門の表情はそのへんの人にはわからないだろうが俺の目から見ると明らかに沈んでいるようだ
ハルヒも珍しく落ち込んだ顔をしている
朝比奈さんは見るのも可哀想なくらいだ
古泉は困った顔をしている
本当にしょうがないな
「ハルヒ。嘘を吐くならもっと楽しい嘘にしろ」
朝比奈さんの身に何かあったように思える嘘は絶対につかないでくれ
「…わかったわ」
ならいい。今日のことは忘れてやることにしよう
「キョンくん。ごめんなさい…」
いえいえ。朝比奈さんは気にしないで下さい。どうせハルヒに唆されたんでしょう
朝比奈さんがエイプリルフールについて知っていて、よもや嘘を自分から吐こうなど考えるはずがない
「先程も言いましたが、すいませんでした」
へいへい
どうせお前はハルヒの手先だからな
じっとこちらを見つめてくる長門には頭に手を置くことを返事にしておいた
「さて。喫茶店にでも行くか?」
空気を換えようと思って提案してみる
「そうね!行きましょう!」
ハルヒが元気な声で返事をする
本当に立ち直り早いな
やれやれ


喫茶店について適当に話をしていると
「今日もキョンが一番最後に来たからキョンのおごりね!!」
とハルヒが言い出した
おい。ちょっと待て
それはひどいんじゃないか?
非難しようとしたらハルヒが笑顔になって
「嘘よ。今日はキョン以外で割り勘にしましょ」
と言い出した
…珍しいこともあるもんだ
さっきのことを気にしてるのかね
ま、そんな嘘なら良いことにしよう
さっきだって嘘なら楽しいのにしろって言ったばっかりだしな
「さ、みんなも嘘吐きなさい。今日はそんな日なんだから」
「ふぇぇ~?」
朝比奈さんが可愛らしい小動物のような目でこちらを見てくる
俺のことなら気にしないで下さい
嘘だとわかっている嘘なんて怒りようがありません
「みくるちゃん!」
「ふぇ。えっと…あの…」
なんて言うんだろう
未来人です。なんて言えばハルヒは大喜びだろうけど朝比奈さんにとっては嘘じゃないわけだしな
「わ、わたしは、あの…お茶を淹れるのが好きじゃありません」
おお。なんてわかりやすい嘘だ
微笑ましいね
「あら。そうなの。じゃあ、今度からは淹れなくてもいいわよ」
「えっ?え…。そんな」
朝比奈さんは慌ててしまっている
「朝比奈さん。ハルヒも嘘を吐いているんですよ」
助け舟を出す
ハルヒは少し気に入らない顔をしていたがすぐに笑顔になる
「有希は?」
「今日の天候は雨。日本時間午前7時からこの地点では20mmの降雨が観測されている。気温は蒸し暑いとも言える陽気で4月と思えない気温。現時点で31℃ある」
今日は俺が自転車で急いできてやっと汗だくになるような天気である
雨も全く降っていない
まぁ、そういうことだ
「うーん。有希っぽい嘘って言ったらそうなのかしら?」
長門らしい嘘なんて俺には想像もつかない
よって、今言った長門の言葉が全てだ
「今日は本を読んでいない」
長門がまた嘘を吐いた
なるほど
わかりやすい嘘が長門らしい嘘だということだな
なんせ、長門はさっき本を出していたからな
ハルヒに仕舞わされていたから今は読んでいないが
「ふむ。わかったわ。じゃあ、次は古泉くん」
「僕ですか?」
古泉はそう言って腕時計を見た
なんだ?時間が関係あるとでも言うのか?
「そうですね…その前に昼食を摂りませんか?」
おお。それはいい提案だ
なんせ、俺は超特急で来たから朝飯も食べていない
「ハルヒ。そうしよう」
早速俺はメニューを広げ始める
喫茶店といえど、昼食程度のメニューはある
「んー。まぁ、いいでしょう」

それから食事を摂ったわけだが古泉はチラチラと時計を見ていた
これから何か用事があるのだろうか?
しかし、用事があったとしても古泉にとってはハルヒのほうが大切なはずだが…
ナポリタンを食べながらもそんなことを考えていた
古泉はサンドイッチを俺よりも早く食べ終わりこちらを見ていた
いつも通りのニヤケ面だ
「僕はあなたが好きです」
ぅぐっ
危うくナポリタンを吹き出すところだった
なんだって?
慌てふためく俺がいた
いきなり何を言い出すんだこいつは
「あはははは」
ハルヒの笑い声で我にかえる
ああ。そうか。ハルヒに嘘を吐けと言われていたんだったな
嘘…ね
「古泉くんがそんな嘘を吐くとは思わなかったわ」
ハルヒは大爆笑で上機嫌だ
「さ、キョンは?」
ハルヒは興味津々といった風に俺を見てくる
嘘なんて言うもんじゃないぞ
なんて今さら言ったところでしょうがないだろう
なんとなく口惜しかったので古泉を睨みつける
「俺も古泉が好きだよ」
「えー。古泉くんの2番煎じじゃない」
うるさい。文句言うなよ
「んー。まあいいわ。古泉くんには笑わせてもらったし」
どうやらお許しは貰えたようだ

午後はみんなでデパートの不思議探索という名の買い物だ
女子の洋服を見ながらも俺と古泉は少し離れたところに居た
「本日は本当にすいませんでした」
ん?ああ。呼び出しの嘘のことか
「いいよ。もう」
ハルヒだってもうしようとしないだろ
「ええ。涼宮さんも本当に反省なさっているようですよ」
そうか
「悪いことだとわかっているのですが…少し妬いてしまいましたね」
はぁ?
「涼宮さんもおっしゃっていましたが、あなたがあんなに汗だくになって来たのは朝比奈さんのためでしょう?」
お前までそんなことを考えていたのか…
「馬鹿か。朝比奈さんに大変なことが起きたって言われたらそりゃあ朝比奈さんを心配しながら来るに決まってるだろう。ただでさえ1回誘拐されている方だぞ」
「ですが…やはり羨ましくて。あなたに心配されているのが」
あーあ。馬鹿だ馬鹿だ
こいつは本当に俺が朝比奈さんだけを心配して来たと本当に思っているのだろうか?
ハルヒだって心配だったし、ハルヒの精神状態だって心配だった
もちろん長門のことだって心配していた
「馬鹿野郎」
一言にそんな想いを込めたつもりだ
「すいません」
こいつにそんな想いは伝わったのだろうか
いち早く謝ってきたこいつには俺の想いが伝わっていると考えていた俺が馬鹿だったんだろうか
情けなく感じる
それに、こいつのさっきの嘘だってムカつく
ハルヒの前で吐く『嘘』にすることないじゃないか
「馬鹿野郎」
「すいません」
「馬鹿」
「本当にすいません」
「嘘ってなんだよ」
「すいませ…え?」
古泉を睨みつける
「ああ。あれはですね…まず、エイプリルフールって何かご存知ですか?」
「あん?4月馬鹿ってことだろ」
「そうですね。エイプリルフールは、害のない嘘を吐いてもいい、という風習のことです。日本では元々は4月1日は日ごろの不義理を詫びる日だったらしいです。エイプリルフールの起源は不明で有力な説ではフランスのシャルル9世のものがあるようですが、確かではありません」
「それで?」
「ええ。これはただの知識です。そして、大事なのは、次のことだけです。涼宮さんは知らなかったようですが、エイプリルフールの風習の対象は午前中だけです」
「は?」
「午前中だけが嘘を吐いてもいいんですよ」
ってことは…?
「僕があなたのことを好きだと言ったのはちゃんと午後になってからなんですよ」
笑顔で言う古泉
「涼宮さんは嘘だと思っていますが、僕は本当のことを言ったんです」
…ほう。
「ちなみに、僕の後で言ったあなたも、もちろん午後で言ったことになりますね」
…あれ?
「誰も気付いてませんが僕達は3人の前で告白をしたことになりますね」
嵌められた
「嬉しいです。1度言ってみたかったんですよ」
馬鹿だろ
「馬鹿でもいいです。夢だったんですよ」
遠い目をした古泉はなんとなく切ない感じがした
「小さい夢だな」
「ええ。そうですね」
微笑む古泉はどことなく儚く見える
「キョーン!!古泉くん!!ちょっと来て」
ハルヒが呼んでいる
古泉は歩を進める
「古泉」
「はい、なんでしょう?」

「俺もお前が好きだよ」

4月1日、午後
そんなことを恋人に言っておいた


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