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涼宮ハルヒシリーズの2次制作サイト。鈍感なキョンを愛でています。 BL要素満載なので間違って入ってきた人は回れ右です。古キョンだらけですが、国木田×谷口も少々あります。 当サイトはリンクフリーです。相互も大歓迎です。 リクエストなども受け付けておりますので拍手かメールフォームよりお気軽にどうぞ。
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喪失・獲得 前 の続きです
後編と書いておきながらこれで終わりではありません。
そして、前編で書いたとおり、続きが2つになりました。
死ぬ方と死なない方です。
死ぬほうは多少のエログロがありますので自己責任でお願いします。
どちらでも構わない、どうなるかわからないで続きを読みたい、という方は最期の選択肢を選んで続きに飛んでみてください。
(シミュレーションゲームの選択肢だと考えていただければ幸いです)


以下、ss本文は「続きを読む」から。

「キョンと古泉くんって、仲が良くないように見えて本当は良いわよね」
ある日のカミサマとの会話
「はぁ?何言ってんだ、お前」
心底嫌そうな顔をする彼は演技なのかそうじゃないのか
「はい。愛し合っていますから」
僕もそんなことはおくびにも出さない
「そうでしょうか。涼宮さんにそう見えるなんて嬉しいですね」
普段の古泉一樹の口調で言う
『古泉一樹』ならば彼と仲が良いと言われても嫌がらない方がそれっぽい
彼との仲がいい、ということは涼宮さんにとってどんな影響が出ているのかわからない
SOS団が上手くいっていると思うのか、それとも妬いてしまうのか
どっちだろうか?

そんなことがあってから1ヶ月ほど経った
僕と彼の仲は変わらず順調
彼女は少し不安定な時がある
機関によってその原因を目下捜索中
部室でパソコンを見つめていたはずの彼女がふと呟いた
「キョンと古泉くんって、本当に仲が良くなったわね…」
誰に聞かせるためでもないだろう、本当の呟き
実際、目の前にいる彼にはその言葉は届かなかったようだ
机の盤上の駒を「ふむ…」と言いながら動かしている
その声が聞こえたのは、僕がいつでも涼宮さんを観察しているからだ
監視…しているからだ
彼女の呟きで心臓が跳ね上がる
その呟きには憂いが含んでいるような気がしてしょうがなかった

「今日はもう解散」
いつもの元気はどこへやら
かろうじて全員に聞こえる程度の声で言う
「あん?どうした、ハルヒ」
彼はいつもよりも早い解散宣言のため不審そうに彼女に問いかける
「なんでもないわよ。今日はもう気分が乗らないの。帰るわよ、キョン」
彼は優しい眼差しを彼女に向ける
「しょうがない奴だな」そんな声が聞こえてくるようだ
帰る支度を整え始める彼
「では僕も…」
そう言いつつゲームを仕舞い始めようとする
その瞬間、きつい視線を感じる
源はやはり彼女だった
そう、彼女は「帰るわよ、キョン」と彼にだけ帰ることを促したのだ
彼と2人で帰りたいのだろう
手を止めた僕に彼は不審そうな視線を寄越す
早くしろよ
という目をしている
一緒には帰れない
「いえ。やはり僕は今日、なぜあなたに負けてしまったのか反省してから帰ることにします」
「はぁ?」
何言ってんだこいつ。いつも負けてるのになんで今日だけ反省?
そんなことを考えているのだろう
「そう。それじゃあしょうがないわね」
涼宮さんは上機嫌になって言っている
「行くわよ、キョン!」
出て行く直前に僕にもう一度視線を寄越す
ああ、彼女は間違いなく嫉妬しているのだ
彼女の精神がここの所不安定なのはこれのためだったのだろうか
『男友達』からも彼を独占したい
そんな欲求に支配されている

その彼女を見て
可愛いと思う
しょうがない神様だな、と思う
そして、どうしようもない焦燥感に駆られる
羨望を感じる
ずるいと思う
嫉妬する
自分のどうしようもなさに落ち込む

たまに考える恐ろしい思考を遮断する
どうせ実行する勇気もないのだ
彼を殺すなど

涼宮さんに言ってみたい
「彼は僕のなんですよ」
言ったら彼女はどんな顔をするだろうか
そんなことが出来たら優越感に溺れるだろう
なんという醜さ

視線を送るだけで焦点が合っていない盤上
彼が動かした駒を見る
彼が考えた世界
そんなものまでが嬉しい
涼宮さんも彼も、もうここには居ない
そろそろ帰ろうか
今度こそ片付けを終える
鞄を持って「失礼します」と長門さんと朝比奈さんに告げる
ドアノブに手を掛けたところで朝比奈さんの声がする
「あの…古泉くん」
「はい?なんでしょう」
「古泉くん、あの…なんだか………顔色が悪いですけど大丈夫ですかぁ?」
顔色?
「いえ…大丈夫ですが?」
体調はどこも悪くない
「気を付けて」
長門さんが本から目を上げて話しかける
珍しい。少し驚く
長門さんからわざわざ言われるということは本当に顔色が悪いのだろうか
自覚がなかったのだが、とりあえず気をつけることにしよう
「ありがとうございます。では、今日は帰宅後すぐに寝ることにします」
部室を出る

顔色が悪い?
体調管理には気を付けているのに
少々気になりトイレに入る
鏡を正面にして驚愕する
いつもの笑顔の仮面がなくなっている
顔色じゃない
表情がいつもの『古泉一樹』じゃないのだ
いつからこうだった?
最後に見た彼の表情はいつも通りだった
ならその時はまだ崩れていなかったのだ
涼宮さんにも気付かれていないということだ
まだ大丈夫まだ大丈夫
放課後だから人と会う確率は低いけれど、仮面を被り直す


家に居ても考えるのはそのことばかり
このままじゃいけない
なんとかしなければ
焦りだけが積もっていく

どうしたらいいのだろうか

答えは簡単だ
彼を諦めたらいい
彼と彼女を祝福すればいい
そうすればきっと彼女の精神は安定するのだろう
崩壊の心配なんて要らない世界

幸福なんだろう
彼女にとって
世界中の人にとって
もしかして世界だけでなく宇宙の方たちにとっても

何を悩む必要があると言うのだろうか

簡単だ
僕が彼に告げればいい

「好きじゃなくなりました。別れてください」

そうすればきっと彼は新しい恋をする
彼女と恋に落ちる

なんて幸せな世界

 


嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ

そんなこと許さない
許せない
嫌だ
彼が僕のものじゃなくなるなんて
そんなことは耐えられない
耐えられないんだ

彼に傍に居てほしい
誰よりも傍に居てほしい
仲間なんて一括りにしないでほしい
特別の存在でありたい
恋人として傍に居たい

でも、おそらく涼宮さんの限界も近いのだろう
水が表面張力で溢れるのを堪えているくらい

どうすればいいだろうか

僕が一人で不幸を背負う
世界の人のために

馬鹿げた考えだ
おこがましい
でも、実際にそんなことを思ってしまうのも本当

僕が諦める
彼を諦める
彼に本当のことなど告げずに嫌われてしまえばいい
身勝手な男だと呆れてしまえばいい

ああ、考えがループしているではないか

答えなどでない問題

出ているけれど僕がそれを拒否しているから解決しない問題

シャワーを浴びる
鏡に映る自分は仮面を被る余裕もないほどのひどい顔をしていた
きっと覚悟を決めるべき時だ

ハムレットの一節を思い出す

生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ

 

悩みなど無いかのような笑顔でいつもの彼とのゲーム
涼宮さんがパソコンをつけながら彼に話しかける
「キョン、昨日行った喫茶店であんたが頼んだのは何だったかしら?美味しそうだったような気がするのよね。今度あたしも頼もうかしら」
「あん?普通のコーヒーだぞ?何言ってんだ?」
「そうだったかしら。そう。昨日は楽しかったわね」
「そりゃお前は俺に奢られたから楽しかったんだろうな」
溜息を吐きながら彼は答える
昨日、帰宅途中で涼宮さんにねだられて喫茶店に行ったのだろう
今の涼宮さんの目的は彼と話すことじゃない
僕に昨日のことを知らせることだ
自分と彼がいかに昨日楽しんだかを僕に伝えたいのだ
…僕だけじゃなくてここにいる全員に向けて、なのかもしれない

笑顔…笑顔なんだ。涼宮さんは
けれどその笑顔はいつもの明るいものにはもう見えない
必死な…女の顔をしている
神様じゃない
僕の目がいけないのかそれとも彼女は本当にいつもの笑顔をしていないのか
フィルターが掛かってしまっているのだろうか

もう何もわからない

わかるのは僕の嫉妬と彼女の嫉妬

彼を挟んで嫉妬の嵐
気付かないのは彼だけか

「あーあ。今月も金がなぁ…」

一人そんなことを呟く
安心してください
機関でなんとかしますから

彼の心配は普通の高校生のものとなんら変わらない
違うのは好かれた人だけ

神様に好かれた
その事実だけ

「キョン、今日はいつもと違う喫茶店に行くわよ」
彼女が今日の放課後の予定を決めようとする
しかし、彼は困ったように僕を見る
今日の彼は僕の家に来る予定だったから
すぐに断らないのは僕の意見を聞きたいから
僕なら「涼宮さんの機嫌を損なわないように行ってください」と先約を無視する可能性があると考えているから
今までそうしていたから

「すいません。涼宮さん。彼は今日僕と約束があるんですよ」

彼女よりも彼が驚いた顔をした
彼女に逆らうことなどしないようにしている僕からそんなことを言い出して驚いているのだろう
「本当?キョン」
「あ、ああ…」
彼が驚きながらも同意する
「そうなの…男の団員が仲良くすることはいいことよ。何かあったときは二人で協力しないといけないんだからね!」

空元気
強がり
そんな言葉が思い浮かぶ
ちょっとした優越感を感じる

「へいへいわかったよ。ま、そんなわけで今日は無理だ」
「しょうがないわね」
きつい視線が刺さっているのを自覚していたがそちらには目線を向けなかった
今そちらを見ればたぶん仮面を被っていない顔を見られてしまうから


彼と二人、部屋の中
途中の本屋で買ってきた漫画を読む彼と本を読むフリをして隣の彼を盗み見る僕
話をしていなくても息苦しくない
むしろ心地いい
こんな時間が大好きだ
ずっと、ずっとこんな時が続けばいい
そう望んでいた

ブーブー
と携帯が振動する
メールを見ると閉鎖空間の発生の知らせ
ああ、やはりそうか
自業自得だとわかっている
僕の表情を見て彼が何のメールかわかったようで溜息を吐く
「アレ…か」
彼も原因は自分にあることがわかっているようだ
「はい。発生したようです」
「行くのか」
沈黙
いつもなら「しょうがないですね」とすぐに返事をして出て行く
でも、何故だろう
行きたくない
「今日、お前らしくなかったからな。あいつもそれが原因なんじゃねーの?」
ハルヒのイエスマン
彼の僕に対する評価はそれだ
「珍しいよな。お前がハルヒよりも俺を優先するなんて」
少し笑顔になる彼
「涼宮さんよりも自分が優先されて嬉しいのですか?」
彼はバッとこちらを向き、数秒後赤面した
「バ、バッカじゃねーの。……お前こそ、ハルヒよりも俺を優先してまで俺と一緒に居たかったのかよ」
そんなセリフを彼が発する
無自覚に恥ずかしい人だ
「はい。あなたと一緒に居たかったんです」
「……っ!!はぁ。馬鹿野郎」
彼がそっぽを向いてしまう
「行かなくていいのかよ」
天にも昇る気持ちだったのが地上に堕ちていく
「行かなくては…いけないでしょうね」
「行きたくないのか?」
また沈黙で返す
行きたくない、とは言えない
言ってはいけないから
彼はなんと言うだろうか
世界が壊れる心配があるというのに行きたくないと我侭を言う自分をどう思うだろうか
「そうか」
彼は一言だけを告げた
それは僕を批判する声色ではなかった
「責めないんですか?」
「んぁ?お前が行きたくないならしょうがないだろ。理由は…そうだな。言いたくなったら言えばいい」
理由は彼には言えない
彼女のために彼との時間を減らされたくない
そんな子供じみた理由など

そして、本当に絶対に言えない理由もあることに気付く
世界が壊れても構わない
いいや、壊れてしまえばいいとさえ思う自分が居る
壊れてしまうならば彼と誰が結ばれてもいいだろう?
彼の瞳に最後に映るのは僕で許されるだろう?
彼を殺してしまっても構わないだろう?

ブーブーブー
再び携帯が震える
機関から催促の電話かメールかと思ったが涼宮さんからの電話だった
きっと、表面張力だけで耐えていた水が溢れ出したのだ
そして、その溢れた水はきっと元に戻ってはくれない
溢れて零れてどこまでも堕ちていく



→電話に出る
→電話を放っておく
→どちらかのエンディングのみを望む方はブラウザバックして、それぞれの注意書きを反転してお好みのほうをお読みください

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