忍者ブログ
ADMINWRITE
涼宮ハルヒシリーズの2次制作サイト。鈍感なキョンを愛でています。 BL要素満載なので間違って入ってきた人は回れ右です。古キョンだらけですが、国木田×谷口も少々あります。 当サイトはリンクフリーです。相互も大歓迎です。 リクエストなども受け付けておりますので拍手かメールフォームよりお気軽にどうぞ。
[112]  [111]  [110]  [109]  [108]  [107]  [106]  [105]  [104]  [103]  [102
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

喪失・獲得 後 の続き2です

どうなるかわかってから読みたい方は反転してください↓
こちらはハッピーエンドとなっておりますのでエログロが苦手な方でも大丈夫になっております。



以下、ss本文は「続きを読む」から。

そんな水のイメージを浮かべて、その水を溢れさせておいて構わないと思う
電話を放っておく
「電話じゃねーのか?出なくていいのか?」
「いいんですよ。どうせ閉鎖空間についてですから」
「……そうか」
携帯電話の電源を落とす
もう邪魔されたくない
何にも僕と彼の仲を壊されたくない
この関係が崩れてしまうのが怖い
世界が壊れるよりも怖い

ポケットから小振りのナイフを取り出す
パチン、と刃を引き出す
「古泉…」
驚きに彩られた瞳が僕を見つめる
「愛しています」
これ以上ないほどの笑顔で告げる
「あ…ああ。そうか」

我慢の限界
それは僕にも訪れている

「そのナイフ、どうするつもりだ?」
「わかっているんでしょう?」
ごく、と喉の鳴る音がする
「殺すのか?俺を」
「正解です」
怯えた目を見せてください
それできっと決心がつくと思う
何度もシミュレートした状況なのだから
「そう…か」
それなのに、見た彼の瞳には怯えが無くて拍子抜けしてしまう
どうして嫌だと、殺すなと命乞いをしないのだろうか
「あなたを殺したいです」
「ああ」
彼は逃げようとも僕を止めようともしない
何故?
疑問が浮かんできてしまう
次の行動に移せない
「どうした?殺さないのか?」
飄々とそんなことを聞いてくる
「どうして…」
「あん?」
「どうして、嫌がらないんですか?」
ナイフを下ろして呆然と聞いてしまう
この疑問を晴らさなければ、すっきりと自分も死ねない
「お前の気持ちがなんとなくだがわかるからだろ」
何でもないことのように告げられる
「わかる…んですか?」
僕の気持ちが?
「ああ」
「嘘だ…」
「なんで嘘だよ」
「だって、だってあなたはきっと」
きっと、僕よりも世界をわかっていなくて
僕があなたを好きな気持ちよりもあなたが僕を想う気持ちの方が少なくて
だから、だからきっと
「俺は、お前と付き合うことを軽々しく決めたわけじゃない。
俺だって色々と考えて決断したんだ。
ハルヒのことだってもちろん考慮したに決まってるだろ。
最近のあいつは…そうだな。何か変だ。情緒不安定って言うのか。
その原因が俺に関わっているんじゃないかって、そう…思う。
だからお前、疲れてるんだろ。もう、終わらせたいんだろ?」
穏やかな眼差しで彼は言う

違う、違う!
疲れているとか、終わらせたいとかそんなことじゃない
もっと、もっとドロドロとして格好悪くて…そんな理由だ
僕は、自分のエゴであなたを殺したいと思っているんだ
彼女に最期を決めさせたくないだとか、最期に見ていて欲しいとかそんなくだらない理由だ
「殺さないのか?」
ナイフを下ろして動かなくなった僕を不思議そうに彼は見る
極めて冷静に問われる
「あなたを殺したい」
「ああ」
「逃げない…ですね」
「ああ」
「もっと恐怖を感じてくださいよ。死ぬんですよ?」
「なんだよ、逃げて欲しいのかよ?」
逃げて欲しい?
そんなことはない
僕は本気で殺したいと
自分だけのものにしたいと
逃げないのか、と聞いたのは恐怖に怯えたあなたを見たかっただけ
心残りはあなたと生きていくことがもう出来ないこと
もっと、あなたと話をしたかった
もっと、あなたと見つめ合っていたかった
もっと、あなたと同じ空気を吸って生きたかった
「どうしたんだよ」
言って彼の手が僕の頬に触れる
彼の手が濡れて光っているのを見て自分が泣いている事を知る
「どうしたいんだ?」
「僕が…死んでくださいと言ったら死んでくださるんですか?」
どうしたいのか、とこの状況で言う彼は変だと思う
「そうだな。…構わない」
「え?」
「お前もすぐに追いかけてくるんだろ?」
それが当然、と含み彼は言う
それを見て笑みを零す
「ええ。あなたが居ない世界など興味がありませんからね」
「そうか。ナイフ貸せ」
彼はもう決心がついたように軽々しくそう求める
対して僕は、自分が要求したくせにナイフを固く握り締める
「古泉?」
「何故、そう簡単に…」
僕がどれだけ悩んだと思っているのか
「簡単じゃねーよ」
笑って告げる彼はやはり簡単に言っているように感じる
「簡単じゃない。お前がそこまで追い詰められているのに気付かなかった自分を責めてる。
お前の傷は俺の傷だし、お前の罪は俺の罪でもある。
ああ、お前のドジで勝手に怪我したとかは知らん」
真顔で彼は僕に訴えかけてくる
僕の知らなかった一面をまた出してくる
またあなたに惹かれていく
あなたと共に生きていきたい
そう思ってしまう
この人の全てを知りたい
誰よりもこの人を知りたい
「ほら、殺すなら殺せよ。お前のためなら死んでもやってもいい」
平然と言うあなたは僕の知らなかった新たに知ったあなた
「あなたと、生きたい」
「…そうか」
僕の言葉は彼に伝わる
ナイフの刃をパチン、と仕舞う
「あなたは、変な人ですね」
「お前に言われたくないな」
「それもそうですね」
「なぁ…」
彼は窓の外を見やる
「お前、死にたくなったら言えよ」
驚愕に目を見張る
ここで普通言うのは死ぬな、だとかそういう言葉じゃないのだろうか
「死ぬ時、傍に居るのは俺にしとけ」
今度は真正面に向き直られる
それを言われて、彼も自分と同じようなことを考えてくれたのだろうか、と思う
「ええ。あなたも、死ぬとき一緒に居るのは僕にしてくださいね」
「ああ。出来るならじいさんになってからがいい」
「それは…大変に魅力的なお話ですね」
その願いが叶えばいい
いや、叶えてみせようじゃないか
彼の願いとあらば
一つ、彼にキスを零して携帯電話の電源を入れてメールの確認をする
機関から、涼宮さんから、溢れるほどのメール
苦笑が零れる
さぁ、これからが大変だ
上手に上手にこの世界と付き合っていかなければ
知らぬフリをしていた涼宮さんの精神を感知する
ああ、これはこれはひどい状況だ
少し心配そうな彼にお願いをしなければならない
「すいませんが、涼宮さんに電話を掛けて頂けませんか?
僕にバイトが入ってしまったので暇になったから今から会えないか、と」
彼は頷き携帯電話を取り出す
彼の話し声が聞こえる
彼女の精神状態が安定してくる
閉鎖空間の拡大スピードも緩んでくる
さぁ、ではあとは神人を倒すだけだ

頑張らなくては
彼と僕の未来のために

「行きましょうか」
「ああ」

いつもと同じ自宅のドアはきっとこれからの未来への扉だ
僕は勝手にそう思う
2人で一緒に扉を開ける


web拍手

もう片方のエンディングへ

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カウンター
カレンダー
05 2017/06 07
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
最新コメント
[04/10 椎香]
[03/09 冬輝]
[10/24 オレンジレモン]
[10/23 彼方]
[10/23 オレンジレモン]
最新記事
プロフィール
HN:
彼方
年齢:
30
性別:
女性
誕生日:
1986/12/06
職業:
会社員
自己紹介:
社会人2年生になりました。
メールフォーム
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析

Designed by 湯月   Material by ウタノツバサ
Copyright c [ 鈍感な人 ] All Rights Reserved.

忍者ブログ [PR]