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ためらいの恋のお題
01. 僕と彼の一定距離
彼に近付く。
彼は「気色悪い」と言う。
涼宮さんに聞かせたくない話。
内緒話をするためだと彼に言う。
そうすると渋々ながら傍にいることを許してくれる。
ただしどんなに顔を近付けても、触れない。
耳に口寄せ、囁き掛けても吐息が触れないように喋るようにする。
耳を舐めたらどうなるか、なんて想像するだけ。
齧ってみたいなんて欲望は家で一人の時に思うだけ。
近付いても近付いても触れられない。
それ以上は縮めることが出来ない。
僕と彼の一定距離。
02. 惑いと共存する想い
彼への恋心の自覚をして戸惑った。
でも、嬉しいとも思った。
超能力者に勝手にされて、普通の人間がする恋愛なんてもう出来ないと思っていた。
嬉しい。恋が出来て嬉しい。
しかし、その相手が彼だというのは僕を惑わせるには十分だった。
まず、同性だということ。
別に僕は男好きなわけでは断じてない。
初恋の女の子は可愛い女の子だったし、次に淡い恋心を抱いたのも同級生の女の子だった。
そして、何よりこの世界の鍵であるということ。
絶対に恋をしてはいけない人なのに恋をしてしまった。
惑い、戸惑い、夜も眠れない。
それでも確かにある恋心。
彼を想い、夜も眠れない。
普通の人間並みに恋で悩めて嬉しいなんて。
惑いと歓喜。共存する2つの想い。
最終的に勝ったのは…
03. もしもこの日常が壊れたら
穏やかなる世界
僕が守っている世界
涼宮さんが望んでいる世界
この世界が壊れたら…
文芸部室でいつもの活動。
この、なんてことのない日常が壊れたらこの世界が壊れることと同義だ。
そのことを知っている人は僅かだがこれは確かなことだ。
壊せない。
壊せるわけが無い。
彼との関係を壊すことはこの日常も世界も壊してしまう。
ああ、世界は壊れないかもしれない。
僕がいなくなってしまうだけかもしれない。
壊せない。
僕はこの世界を…日常を愛しているのだから。
04. 押さえ込んだ言葉
「お前のにやけ顔はハルヒのためなんだろ?なんでハルヒがいない時にもその顔なんだ?」
きっと、彼にとってはなんてことないふとした疑問だったのだろう。
僕にとってのこの笑顔は武装だ。
癖のような感じになってしまったこの笑顔は僕にとっての最大の防御なのだ。
あなたに感情を見破らせないための。
最初は気を許していなかったから、ただそれだけのための防御。
あなたに恋してからはあなたのふとした言葉で感情が揺れ動いていることを悟らせない為の防御。
「学校内ではこうすると決められているんですよ」
嘘ではない言葉。
この学校に転入する時に機関から下された命令だ。
今となっては本当の理由ではなくなっているけれど。
本当の理由なんか言えるわけが無い。
『あなたに恋してるからですよ』
そんな言葉は押さえ込むしかない。
05. 指先一本のふれあい
パチパチ
今日も今日とて彼とオセロをして過ごす。
もちろん彼の連戦連勝だが。
パチ
おや、そこに置かれると縦も横も斜めもひっくり返さなければいけませんね。
お手伝いしましょう。
「ちっとは悔しがれよ」
そんな一言が聞こえてきたけれど悔しいという気持ちは無い。
パチ パチ パチ
僕と彼の指が触れ合う
こんな狭い盤上で2人で駒をひっくり返しているんだ。
そんなことは予期してもいいことだった。
心の準備が出来ていなかったから少し手が震えてしまった。
気付かれてはいないだろうか。
彼の顔を窺う。
何も気にしていないようだ。
当然だ。ただの男友達(友達と思って下さっているかはわからないが)とゲームの最中にその過程でちょっと指先が触れ合っただけだ。
何を気にするというのだ。
気にしているのは僕だけだ。
笑みが浮かんでくる。
「何笑ってんだ?気色悪い」
いつも僕は笑っている。仮面の笑顔を被っている。
だから笑っても気付かれないはずなのに何故彼にはわかってしまうんだろう?
そんな彼だから好きなのだ。
ああ、それにしても指先が触れ合っただけでドキドキしている僕と普段通りの彼。
指先が触れ合って身体的には近付いたが精神的には隔たりを感じた。
そんないつも通りの日。