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涼宮ハルヒシリーズの2次制作サイト。鈍感なキョンを愛でています。 BL要素満載なので間違って入ってきた人は回れ右です。古キョンだらけですが、国木田×谷口も少々あります。 当サイトはリンクフリーです。相互も大歓迎です。 リクエストなども受け付けておりますので拍手かメールフォームよりお気軽にどうぞ。
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また1ヶ月以上使用することになってしまった拍手です
1ヶ月毎に変えれるようにしま…す…たぶん
今回は09と10が繋がっています

使用したお題サイト様へはリンクから飛べます

以下、旧拍手は「続きを読む」から

ためらいの恋のお題


06. 「届かなくてもいい」なんて嘘

この想いは自分の心の中でだけ
そんなことを思っている

そう思っているはずなのに…
最近、道を歩いているとカップルがやけに目に付く
何故?
そんなこと決まっている

羨ましいのだ

あの人達が

なんの気兼ねも無く堂々と手を繋いだり腕を組んだりしている人達が
周りになんの遠慮も無く自分達が愛し合っていることを無意識に伝えられる人達が

自分の気持ちが彼に届いていないから彼とそんな風に歩くことはない

届かなくてもいい
ただ想っているだけでいい

そう自分に言い聞かせているのに

それが嘘だと思い知らされている

自分に言い聞かせることも上手くいかない
嘘がもっと上手になればいいのに…

そう、自分が本当にそうだと思いこめるくらいに



07. 先延ばしにしてきた報い

 

最近、涼宮さんの精神は安定したままだ
彼とも大きい喧嘩はしていない
小さい言い争いはいつものことだけれど、それは不快どころか楽しんでいるのだろう

彼も涼宮さんを本格的に受け入れつつあるようだ

自分の想いなんて放っておけ
世界の安定が大事なんだ

そう思って先延ばしにしてきた報いが今目の前にある
彼が手の届かない人になってしまう

本当は振られるのが恐かっただけなのかもしれない

丁度いい言い訳があったから自分でもそうだと思い込んでいただけで何か出来ることがあったんじゃないか?
彼のことが好きだと気付いてから一体、どのくらいの時間を過ごしてきた?
今まで言わないできたのに何故迷う

諦めろ
これでお前が望んでいた世界の安定が手に入るかもしれないんだぞ?

それは嬉しいはずなのに
どうして
こんなに胸が張り裂けそうになる?

その答えは自分でわかっていて
わかりすぎるほどわかっていて

でもそれなのにまだこの想いを伝えることをこれ以上先延ばしにしようとしている
それによってどんな報いがあるのか
どんな結果が待っているのかわかっているのに

涼宮さんの笑顔が、嬉しそうな顔が
それを見れることで安心して
それを笑顔で見なければならないことに悲しむ

それが報いになるのだろう

 



08. これが最後の選択肢

 

「ねぇ、古泉くん。あたしの気持ち、わかってるわよ…ね?」

涼宮さんに相談があると言われて2人で残った文芸部室
涼宮さんのセリフはまるで、それだけ聞くと僕のことを好きなように聞こえるがもちろんそうでないことはわかっている
つまり

「彼が好きなことでしょうか?」

涼宮さんは赤かった顔をますます紅潮させた
可愛らしい人だ

「……うん。やっぱりわかってたんだ…それでね、キョンに告白しようと思ってるの」

…とうとうこの日がきた
そう思った
むしろ遅かったくらいだ
涼宮さんは不安そうな顔をしている

「それでね、上手くいくと思う…?」

僕が涼宮さんに否定的な意見を言ったことはない
つまり、涼宮さんは肯定的な意見を聞いて安心したいのだ
ここで変なことを言うと折角安定している世界がどうにかなってしまうかもしれない

しかし、『ここで上手くいきますよ』と言ってしまうということはつまり、明日にでも告白してしまうつもりなのだろう
そして、彼は…断らない、だろう

涼宮さんは僕が即答しないからか、不安の色が濃くなっているようだ
手が少し震えてきた

僕も彼のことが好きです
彼とは上手くいかないんじゃないですか?
そんな黒い言葉が浮かんでくる

「きっと上手くいきますよ」

それなのに口に出た言葉は肯定の意見

きっとこれが最後の選択肢だったのだ

そして自分は選んだのだ
自分の気持ちを言わないことを

 



09. 淡い絆が消えゆく前に

 

「古泉、涼宮ハルヒの精神が本格的に落ち着いたらあなたは転校することが決定した」

頭が真っ白になった

「閉鎖空間もめったに発生しなくなることが予測される。もう少ししたら違う任務が言い渡される」

「そうですか」

転校…
彼との繋がりは学校だけなのに
学校でのSOS団の活動だけなのに

そう考えるとなんて淡いのだ
彼と僕との絆は
学校にいる時間の占める時間の多さで気付かなかった

彼については機関で調べたから僕は知っている
けれど、彼は僕について何を知っている?
家族構成どころか誕生日など簡単なプロフィールでさえ教えた記憶がない

なんて淡い絆
僕が転校すれば儚く消えてしまいそうなほどに

この絆が消える前に

僕は何が出来るのだろうか?

 



10. 躊躇いの日々に手を振って

 

「最近お前、変じゃないか?」

彼がそう言う
どうしてそんなこと言うんですか

何も言わずに去っていこうと思っていたのに
ああ、どうして
最後の最後でこんなことになってしまうのか

「あなたが好きです」

きっと今の顔は痛々しい笑顔
彼には初めて見せる顔だろう

今までの躊躇ってばかりだった自分は何処に?

知って欲しかった
やっぱり自分は知っていて欲しかったのだ

「そんな顔しないでください」

彼は驚いているようだ
どうすればいいのかわからないのだろう
でも、思っていた嫌悪感はあまり無さそうだった

「僕はいなくなるので」

「は?何言ってるんだ?お前」

「任務が変わるようなんですよ。涼宮さんの近くにいる必要はないようです」

「いなくなんのか?ここから?」

「はい。本当は報告なしで転校しようかと思っていたのですが」
あなたには知っておいて欲しかったのかもしれない

「嫌だ」

「え?」

「何、言い逃げしようとしてんだ?許さねーぞ」

「ですが…」

「俺はお前が好きじゃない。でもな、いきなりいなくなるなんて嫌なんだよ。
SOS団の男、俺だけになるじゃねーか。力仕事とか今まで以上に困るだろ」

「僕と居るのが嫌にならないんですか?」

「うっせーな。ウザイけど別にお前はいていいんだよ」

そっぽを向いてしまう彼が愛おしくて愛おしくて
つい、手が伸びた

「おま、何抱きついてんだよ!!」

「すいません。機関に無理を今から通しに行くのでパワーをください。今だけですから」

「はぁ…。こんなことは今だけだからな」
はい
「勘違いすんなよ。俺はお前のこと、そういう目で見たことなんてないんだからな」
はい。わかっています。わかりすぎているほどに。

数分後
「ありがとうございました。それでは機関に行ってきます」
「…頑張れよ」
「はい。死に物狂いでお願いしてきます」

彼に手を振って文芸部室を出る

そして、様々なことに躊躇っていた過去の自分にも手を振った

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