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涼宮ハルヒシリーズの2次制作サイト。鈍感なキョンを愛でています。 BL要素満載なので間違って入ってきた人は回れ右です。古キョンだらけですが、国木田×谷口も少々あります。 当サイトはリンクフリーです。相互も大歓迎です。 リクエストなども受け付けておりますので拍手かメールフォームよりお気軽にどうぞ。
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まだエンドレスエイトネタを引っ張っているのは私くらいだろう。
でも、自重なんてしてやんないんだから!!

というわけでまたエンドレスエイトの最終日の話。
古→キョンです。

以下、ss本文は「続きを読む」から。



関係ないんですが、スクールデイズ放送中止になっちゃいましたね。
ひぐらしも中止の可能性が…ってマジですかぃ?
ああ、鬱だ。

あー、これほど今日という日が嫌になったことはないな
朝起きて思ったのはそんなことだ
どうやら俺はまたハルヒのとんでも能力のせいで厄介なことに巻き込まれているらしく、今日を迎えるのは15456回目だそうだ
知ったこっちゃねー、とは言ってられないのはわかっているのだが何をしたらいいかさっぱりわからん

それで今日が嫌になっちまってるわけだ
今日がこのまま過ぎるとまた今日までの出来事を忘れた2週間前に戻っちまう
さすがにイライラしちまってもしょうがないと思う

思うのだが、八つ当たりは悪かった
と理解している

俺がイラついてるのには、このいつ終わるのかわからん夏休みのせいだけでなく、自己嫌悪に陥っているからでもある
あまり八つ当たりの類はしない性格だと自分では思っていたのだが
カルシウムが足りなかったのかもしれん
というわけで昨日、古泉に八つ当たりしちまったことに対して反省しているわけだ

昨日、ハルヒが解散を言い渡してから俺と古泉は違う喫茶店に入り、明日つまり今日は何をするべきなのか話した
その時に良い案が思い浮かばなかった。
昨日までもずっと考えてきた問題だ。そう簡単に新しい案が浮かぶわけもない。
2人でお手上げ、沈黙だけがあった。
それでつい、機関とかも大した事ないだとか、ハルヒをずっと観察してるんじゃないのかとか言っちまった
そしたら、古泉もどうやら限界だったらしく珍しく言い返してきた
「だから、あなたが涼宮さんにアイラブユーとでも囁けばいいんじゃないですかと言ったでしょう?
僕達の見解はそうなんです!!僕が代わりにやると言ったのは本当に冗談ですが、あなたがやればいいと思っていたのは本気です!」
古泉が怒鳴るなんて滅多にないことだったのでそれに圧倒されていると古泉は伝票を持って立ち去ってしまった
後ろから声を掛けたが立ち止まらずに行っちまったようだった

さて、本当に今日は何をすべきなのかね
やることを決めかねて何となく携帯電話を眺めていると着信があった
古泉からか。出にくいな、と少し躊躇っていたがこうしていてもしょうがない

「はい、俺だ」
『おはようございます。昨日はすいませんでした。お話があるので僕の家に来て欲しいのですが』
「あ、ああ。でも、お前の家なんか知らんぞ」
『はい。駅まで来ていただければそこからご案内します』
「そうか。わかった。今すぐか?」
『はい。よろしくお願いします』
「ああ。じゃあ」

ピッ
古泉の家か…
昨日のことは俺が悪かったのに古泉だけに謝らせちまったな
はぁ
しかし、わざわざ俺を家に呼んだってことは何か良い案が思いついたのかもな
そんなポジティブな考えを持ちながら出掛ける準備を始める



「よぉ」
駅前にはやはり古泉の方が先に来ていた
「こんにちは」
いつも通りの胡散臭い笑顔だ
またタイミングの良すぎる黒いタクシーが来るのかと思ったがそんなことはなく
「それでは行きましょう」
と古泉は歩き出した
古泉は徒歩だったので俺は自転車をひくことになった
話題もなく目的地に黙々と向かう
こんな時こそ古泉は無駄な講釈でもするべきなんじゃないのかと心の中で文句を言う
「ここです」
と言われて着いた場所はいかにも一人暮らしの人が住んでいるようなアパートだった
もっと良いところに住んでいるのかと思っていたが普通なんだな
いや、高校生で一人暮らしってところで普通ではないか
「じゃまするぞ」
靴を脱いで古泉の後についていく
入ってみるとやっぱり普通だった
シンプルすぎるという印象を受ける
しかし、ちゃんと片付いていて古泉のイメージ通りだ
「こちらにお掛けください」
古泉が白いソファに俺が座るのだろう場所を空けながら座った
「ああ」
尻がソファに着く寸前で肩に変な力がかかってきた
「あん?」
何事だ?
目の前には変な笑みの古泉が居た
何してんだ、こいつは
「どけよ」
古泉は返事を寄越さない
なんだってんだ
やや呆れながら古泉の顔を見ているとさっきよりも口元が偽悪的に歪んでいく
なんだ?寒気がする
俺が古泉に脅えているとでも言うのか?まさか
「あなたは涼宮さんに愛を囁くつもりはないんですよね?」
またその話か
この体勢はそれを強要するためのものか?
でも俺の気持ちは変わってなどいないぞ
「では、この夏休みもまた終わらずに巻き戻ってしまうでしょうね。ということは、今日あったことは記憶されずに忘れられていくわけだ」
だったらなんだ?
「今日、何があっても世界は滅びないのではないかと思ったんです」
こいつは何をやらかすつもりなんだ?
世界を滅ぼすことをしようとしてんのか?戦争か、核でも使うのか。
「いいえ、とんでもない。大多数の人にとっては大したことはしませんよ。
…ただ、あなたに愛を囁くだけです」
は?

「あなたが好きです」

何言ってんだ?嫌がらせか?
「とんでもない。僕の本心ですよ。あなたを愛しているんです」
いやいや、それが本心のわけないじゃないか
冗談もやり過ぎると大変なことになるんだぞ

「愛してます」
唇に違和感を感じる
ありえん。ありえねーって!!
そう、まさか俺が古泉とキスしてるだなんて、そんなことあるわけねーじゃねーか
「好きです、好きなんです」
口の違和感が無くなったと思ったらまた声が聞こえてくる
まるでその口が塞がっていたからさっきまで囁いていなかっただけでずっと言い続けていたかったかのようだ
「な…んなんだ?これは」
ありえない世界が広がっているような気がした
昨日俺が八つ当たりしたからその代償か?
そこまで気に食わなかったのか?
本心なわけねーじゃねーか
だって、男同士だぞ?
古泉はハルヒのことを魅力的な人だと言っていたじゃねーか
ハルヒにアイラブユーと囁いてみると言っていたじゃねーか
「簡単なことですよ。僕があなたを好きだというそれだけのことです」
簡単なことを聞かないで下さいよ、と言う声が聞こえる
「言ったとおりの意味しかありません」
だから、それがわけわかんねーって…
「好きですよ」
また唇に違和感だ
生暖かいものが押し付けられる
離れていったと思ったら今度は啄むように口に当たってくる
「もっと口、開けてくださいよ」
これほど古泉の笑顔が嫌だと思ったことがあっただろうか
誰だ?これは

「クスクス、しょうがないなぁ」
また口に違和感が来たと思ったら今度は俺の歯と歯の間に何かが侵入してくる
「む、ぅっ!?」
驚いて口を開けた瞬間、その何かが思いっきり入ってきた
上手く呼吸が出来ない
寝転んでいるせいで唾液が俺の口へ流れてくる
苦し…い
肩を殴って離れるように抗議する
離れろ!離れろ!そこをどけ!!
その思いが通じたのか舌が解放されるのを感じた
何分ぶりか、上に乗っていた古泉がソファから降りてどこかへ歩いていった
天井を見ながら口元の涎を拭う
安堵していることはわかる
でも、どうしてこんなことになったのかわからない
昨日まで普通に接していた男に告白されてキスされて…
どうればいいのかわからない
いや、どう考えても逃げるべきだろ?
逃げるべき…だ、と思うのだが体に力が入らない
ひたひたと、足音が近付いてくる音がする
ソファの背凭れに顔を向ける
あいつの顔を見たいとは思わない
足音が止む
すぐ傍に気配を感じる
「可愛いですね」
なんだそれは。俺に向けた言葉か?
「そちらを向いてしまって、照れているんですか?」
んなわけねーだろ、バカかこいつは
「後ろ姿も可愛いですが、顔を見せてくれませんか?」
そんなこと言われて向けるわけないだろ
「しょうがないですね、素直じゃないところも可愛いのですが」
と言いながら強い力で向きを変えられる
文句を付けようと口を思いっきり開けたところを口で塞がれる
それでも声を発しようとしたが舌を絡め取られてそれも叶わない
くそ、力がますます入らなくなってきたのがわかる
それでも古泉の髪を手で引っ張る
あまり力が入っていなくても髪を引っ張られるのはかなり痛いはずだ
生理的現象で涙が目に溜まっていて上手く焦点を合わせることが難しいが、古泉の目がもっと他人に見えたように感じた
恐いと思った瞬間、腕を掴まれた
髪の毛を引っ張られているというのにお構いなしだ
このままだと抜けちまうんじゃないかと一瞬躊躇して思わず髪から手を離してしまった
そこで間髪いれずに腕を頭の上に持っていかれるもう一方の腕も掴まれて一纏めにされる
何が起こっているんだ?
キスが止む
けれど腕は掴まれたままだ
「抵抗されるのもそんなに嫌じゃないんですがこうしておきましょうね」
俺の腕を一括りに掴んでいるのとは反対の右手にはネクタイを持っていた
嫌な予感が胸をよぎる
きっとこの予感は的中する
臙脂のタイを握ってこちらに笑顔を見せる古泉は俺の背筋を凍らせた
古泉は俺の腹に座りながら器用に俺の腕を縛っていく
出来ましたよ、と耳元で囁かれる
もう、わけがわからん
「おまえは、何がしたいんだ?」
押さえきれなかった涙を自分の手で拭くことも出来ずに俺は聞いた
すると、こんな状況なのに飄々とした声で答えが返ってくる
「おやおや、まだわからないんですか?あなたとひとつになりたい、それだけですよ」
わからん
わかってたまるか
ひとつになりたいだと?
そんな戯言に付き合っている場合じゃない
「ひとつになりたい、つまりセックスしたいんですよ」
あまりにも直球な言い方に突っ込みも出来やしない
笑顔でそんなことを言うこいつはどうにかなっているに違いない
「今日、肉体に傷をつけても大丈夫ですよ。明日には完治しているんですから。記憶にも残りません。大丈夫、何も心配することはありません」
いやいやいやいや、現在進行形で心配しかないぞ
Tシャツの中に手を入れられる
「失敗しましたね。脱ぐ前に腕を縛ってしまいました」
俺の気持ちなんか丸ごと無視と決め込んだように古泉は笑顔だ

ぞわぞわとした怖気が俺を襲う
まずい、本当の本気らしい
「こっ、いずみ!!」
「はい、なんでしょう?」
俺の切羽詰った声とは正反対に余裕のある声
マジでムカつく
なんとしてでもこの状況を回避しなければ
どうする?どうしればいい?
こうやって考えてる間もないようだ。何か話してとりあえず時間を稼げ!
「お、まえ、本当に俺のことが好きなのか?」
一瞬の間の後、クスクス、と笑い声が聞こえる
「ええ。好きですよ。もう、何者にも変えられないくらいに。己の欲望を我慢できないくらいに」
こんなふうに、ね。
と耳元で囁かれる
「ど、どこが好きだ!?」
って!!何言ってんだ!!?俺は!?まるでバカップルの会話じゃねーか!!
「どこ…ですか?」
そうですね、と古泉は俺の顔に指を乗せる
「どこもかしこも好きなんですけどね。どこのパーツも好きですよ?」
「顔…なのか?」
俺の顔が好みだと?この平々凡々の顔が?自分の方がよっぽどいいツラしてんだろ?
それに、顔ならSOS団の女子は平均を大きく上回る人だけだぞ?
目の前のヤツも含め、俺以外のSOS団は周りの人が振り返るくらいツラの良いヤツだらけだ
「ふふ、いいえ。あなたのパーツだから好きなんです。例えば、ここに落ちている1本の髪でさえあなたのものだと思うと愛しく感じることが出来ます」
さっきまで俺の頭があったところから髪の毛を摘みながらそう言う古泉の顔はとても綺麗だった
そして、妖艶だった
「そうですね。いい機会ですし、僕があなたを好きな理由を言いましょうか」
別にそんなのは聞きたくなかったが、いい時間稼ぎになりそうだったのでコクコクと頷く
「アンビバレンスという言葉をご存知ですか?」
あん?いきなりだな。なんだっけ、えーっと矛盾とか、そんな感じだったか?
「さすがいろいろご存知ですね。
アンビバレンスというのは両面感情、両面価値感情と日本語では言い同一の対象―ここではあなたのことです―について相反する感情を抱く、という意味です。
心理学などでよく使われている言葉ですね」
で、それがなんだってんだ?
「僕はあなたに最初は良い印象を持っていなかった、それどころか悪い印象さえ持っていた」
そうかい、じゃあなんでこんなことになってんだよ
「決まってるじゃないですか。あなたを知るうちにあなたを好きになったからですよ」
古泉は一息吐いてから話し出した

ただの人間が涼宮さんと一緒になって行動しているらしい
そしてその人の言動によって気分が左右されているらしい
なんて人だ、と思いました
僕が涼宮さんに対する感情は恋愛感情ではないのですが、嫉妬という言葉が一番近いでしょうね
神に選ばれた普通の人間に対して抱いたのはそんな感情でした
ひどいじゃないですか。僕達は世界を守っているのに、何も知らない何もしていない人が選ばれるなんて
どんな人なのかと思ってあなたに会って、そうしたら本当に普通の人で驚きました
そして僕や長門さん、朝比奈さんのことを知ってどんな行動を起こすかと思いきや、全く変わらずに接してくる
ああ、普通じゃないのだとその時に思いました
この人は受け入れてくれるのだと
突拍子もない、こんな異常な人間や人間とも言えない者まで拒否せずに自然に受け入れる
不思議な人ですよ、あなたは
そうそう、本当は打ち明ける時、緊張していたんですよ
閉鎖空間に連れて行ったときも
機関のことを何も知らない人を連れて行くのは初めてだったのでどんな風に反応するかわかりませんでしたから
もしかしたらものすごく拒否されて逃げ出してしまうのでないか、なども考えていたんですよ
でも、あなたは変わらないし文芸部室に来ることもやめなかった
涼宮さんと一緒に居ることも変わらない
家に帰ってから一人で笑ってしまいましたよ
そして……どうしようもなく惹かれました
それでも本当は今でも少し憎いんですよ、あなたが
こんなに愛しいんですが愛しすぎて、どうしてこんなに愛しいのかと少し憎いんです
僕の思い通りにならないあなたが憎いんです
でも、思い通りにならないからこそのあなただとも思うんです
手に入れたい、手に入れたくない
なんて相反したことを同時に思うんです
涼宮さんがいるのだから手に入れることは絶対にしてはいけないことだ。でも手に入れたい
手に入れてあなたの笑顔を僕が作りたい
でも、泣かせてみたい
笑顔が見たい、泣き顔が見たい
快楽に堕ちていくあなたが見たい、苦痛に歪んでいるあなたが見たい…

「ね、アンビバレンスでしょう?」

そう言って古泉は締めくくった
結局、俺のどこが良いのかよくわからなかったんだが
「そうですか。ふふ、そうですね。それでこそあなたですね」
それでこそ俺?何言ってんだ?
「わからなくても、あなたが好きだということだけわかってもらえばいいんです」
そう言って顔が近付いてくる
あー、腕の位置が上手く変えれないってのはつらいな。
痒いところに手が届かんし
めんどくさいことをしてくれたもんだ
「好きですよ」
口に吐息がかかるくらいの距離でまたそれを言って口を塞いできた
また深く潜り込んでくる
それと同時にTシャツの中に再び手を入れ、なんの膨らみもない胸を弄ってきた
ぅえー!!?
本当にまずい、まずすぎる!!
これは何とかしないといけないだろ!!!
って!腕縛られてるんだった!足も上手く動かせねーし!!
「むー!!んー!!」
なんとか声を出そうと頑張ってみる
と、思いのほか簡単に古泉は解放してくれた
「どうかしましたか?」
どうかしましたかじゃねーよ!!
「だからセックスしましょうって言ってるじゃないですか」
無駄に爽やかに言うなよ!!
「嫌だ!」
もう、時間稼ぎだとかなんだとか言ってられん
っていうか、最初っからこうやって断るべきだったんだよな?なんで言わなかったんだ?パニくりまくりだろ、自分!
「そうですか、残念です」
そう言った古泉の顔は本気で恐かった
さっき古泉はなんて言った?
苦痛に歪んでいる俺を見たい?え、ちょっと待て
苦痛だと?
「本当はこんなことしたくないんですが」
もう1本、違うネクタイを手に持っている古泉が目に映る
俺の体の自由を奪うのが目的だよな?
手首の次はどこだ?
って!だから、考えてる時間なんかないんだって!!
冷や汗が流れるのがわかる
古泉さん?古泉さん、本気ですか?そうですか、本気なんですか
足をばたつかせてみるが大した抵抗にはなっていない
足に古泉の指が触れる
足首か?出来るだけ足を一括りにされないように離すように力を入れる
「古泉っ!!」
「なんですか?」
「だ、妥協案がある!!」
「はぁ、なんですか?」
足に触れていた指が離れていき、顔もこちらを再び向く
とりあえず一安心、じゃねーよ!!妥協案?妥協案って何だよ!!?
何が考えられる?
俺の貞操を守るためだ
それ以外ならなんでも受け入れようじゃないか
そうだよ、なんでも受け入れる俺が良いみたいなことをさっき言ってたじゃないか
何をすればいいんだ?
夏休みの宿題を俺がやる、って明日はまた巻き戻ってんだからそんなことが条件になるわけねーだろ!?
古泉はなんでこんなことしたいんだっけ?
ああ、そうか。俺のことが好きだからだっけ
えーとえーと、ああ、そうだ
「俺はお前とせ、セックスするのは嫌だ。だけど、今日、ずっとここに居るのは構わない」
「それが妥協案ですか?」
「いや、違う。ずっとここに居て、お前に愛を囁いてやろう」
古泉が最初に言ったのはそんなことだった
俺に愛を囁くためにここに呼んだのだと
実際は囁くだけじゃなかったがな!!

「古泉、好きだ」
うわぁ、言っちまった
押し倒されて腕を縛られて頭の上に固定されて体に乗られてるんじゃ今の俺には何か喋ることしか出来ないからな
「好きだ、好きだ!!」
古泉の顔はみるみる赤くなっていく
この夏休み、外で遊びまくったのにそんなに日焼けしていない古泉の顔は白くて赤面がすぐにわかる
え、なんだよ
さっきまでキスしてたくせに。なんだ、こいつは
よっぽど恥ずかしいことをしてたくせにわけわからんやつだな
「う、嬉しいです」
ええ!なんだよ、なんか涙声になってないか?
「あなたにそんなことを言われるなんて一生ないと思っていたので」
…そんなに嬉しいのだろうか?
俺はそこまで好かれているのか?
俺が嘘でも好きだと言っただけで高校生になったヤツを泣かせるくらい?
罪悪感に苛まれる
いや、こんな危機的状況に追い込まれているんだ
このくらいしょうがないだろう?
俺の良心が痛むなんてそんなことあってたまるか
「もう1度」
上から声が降ってくる
「あ…」
くそ、嘘で言っている俺が悪いことしてる気分が拭えん
どう考えてもこいつが悪いに決まってるんだ
ほら、言っちまえ
「どうしたんですか?妥協案なんでしょう?」
そうだよ、こいつは妥協案として受け入れようとしている
ただ好きと言うだけで考えるだけで恐ろしいことをしなくて済むんだ
「す…きだ」
「先程よりも勢いが無くなりましたね?」
ああ、言うのが苦痛になっちまったからな
「好きだと言うのも嫌なんですね。そんな顔をして」
そうさ。嫌だとも
好きだとも思っていない相手に好きなんて言って楽しいヤツなんてのは詐欺師とかそんなんだろ
でも、お前が傷ついた顔をするのは間違ってると思うぞ
「おまえ、なんで俺が好きなんだよっ!!?」
前に聞いたことを前とは全く違った感情で聞いてみる
「先程、言いましたが」
「そうじゃなくてっ!なんなんだよ、なんだよ。俺が好きとか言うだけでそんなに嬉しそうな顔すんじゃねーよ!なんでっ!!」
俺もどうかしている
なんで犯されそうになってるヤツに同情なんかしてるんだ
「あなたは優しいんですよね」
古泉はやはりどこか傷ついた顔をしている
「こんな状況になっているのに僕の心配をしている。本当に…鈍感なのか敏感なのかはっきりして貰えませんか?」
「好きなんてのは本当に好きな相手に言うもんだろ」
「そうですね。それでいくと、やはり僕はあなたに一生好きとは言ってもらえそうにありませんね」
そうかもな
「ふふ、すっかり毒気を抜かれてしまいました。昨日、あなたに本音を少しぶつけてから非道になろうと決心したのに。もうループすることが確定しているならどんなことをしてもいいだろうと自棄になっていたというのに。本当にあなたときたら」
なんだよ
「好きですよ」
はぁ?
「妥協案、あなたが僕に愛を囁くと言うのはあなたに負担がかかり過ぎるので止めておきましょう。でも、その前の『ずっと傍に居る』は、守ってもらいますからね」
まぁ、それくらいなら。この何分かで俺の経験値は無駄に上がっちまったようだ
でもいい加減ネクタイ取ってくれ
「ああ、失礼。でも逃げないでくださいね」
もうそんな気力もねーよ
するすると解かれ腕が自由になる
「手首に痕が残っていますね」
誰のせいだ、誰の
「日焼けしましたね」
そりゃあんだけ外で遊びまくればこのくらい焼けるだろ。むしろ、同じことしてたのに焼けてないお前の方がおかしいんだよ
「うわっ」
手首に変な感触があった
バカか!!舐めるな!
「失礼、痛そうだったので」
だから、誰のせいだっての!
「愛していますよ」
あん?
「愛しています。好きですよ。僕は好きな相手に言っているのでちっとも苦痛じゃないですからね。ずっと愛を囁いて今日を過ごすことにします」
ずっとか?
「ええ。ずっと」
勝手にしろ
俺は寝る
「ベッド使いますか?」
ここで構わん
古泉がソファから降りていく、がすぐ傍に腰を下ろしたようだ
「好きですよ」
子守唄代わりか
「好きです」
本当にずっと言うつもりか、このバカは
「好きです」
「好きです」
「…好き、だ」
意識が遠退いていく時にもその声は続いていたようだった

 


視界がぼやけている
焦点が合ってくると見慣れない天井が見える
「ん?」
ああ、古泉の家だったか
手首に違和感があり、寝る前のことを思い出す
あー、とりあえず良かったとしよう
向きを変えると古泉の髪が顔に当たる
む、くすぐったいな
「古泉」
起きたことを伝えようと声を掛けるが返事はない
「すー、すー」
規則正しい寝息が聞こえてくる
お、こいつも寝ちまったのか
ソファから降りてキッチンに行き、水を貰う
古泉の寝顔を観察する
こうして見ると普通の顔がいいだけの高校生だ
なぁ、古泉
俺は友達だったお前は嫌いとは言えないと思っていたんだ
むしろ好きな部類に入っていたと思う
でも、好きだと面と向かって言う相手ではないと思っている
今日のことは忘れるから
明日からまた友達でよろしくやろうぜ
お前にとって、その世界が良いのかどうかわからんがな
とりあえず、今日はこの部屋で過ごすことにしよう
さて、古泉が起きる前に顔にマジックで落書きしてやろう
油性で書いて落ちなくても明日に残る心配はないんだしな

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プロフィール
HN:
彼方
年齢:
30
性別:
女性
誕生日:
1986/12/06
職業:
会社員
自己紹介:
社会人2年生になりました。
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